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zoom RSS 共謀罪の根拠となる国際条約

<<   作成日時 : 2006/04/26 23:15   >>

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共謀罪の根拠となる国際条約は「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」である。その解説もある。平成十二年十一月十五日ニューヨークにおいて採択。平成十五年二月十日効力発生。平成15年 5月14日 国会承認
 
その主要部分を引用する。
国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約
第一条 目的
この条約の目的は、一層効果的に国際的な組織犯罪を防止し及びこれと戦うための協力を促進することにある。
第二条 用語
この条約の適用上、
(a)「組織的な犯罪集団」とは、三人以上の者から成る組織された集団であって、一定の期間存在し、かつ、金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得るため一又は二以上の重大な犯罪又はこの条約に従って定められる犯罪を行うことを目的として一体として行動するものをいう。
(b)「重大な犯罪」とは、長期四年以上の自由を剥はく奪する刑又はこれより重い刑を科することができる犯罪を構成する行為をいう。
(c)「組織された集団」とは、犯罪の即時の実行のために偶然に形成されたものではない集団をいい、その構成員について正式に定められた役割、その構成員の継続性又は発達した構造を有しなくてもよい。
第三条 適用範囲
1 この条約は、別段の定めがある場合を除くほか、次の犯罪であって、性質上国際的なものであり、かつ、組織的な犯罪集団が関与するものの防止、捜査及び訴追について適用する。
(a)第五条、第六条、第八条及び第二十三条の規定に従って定められる犯罪
(b)前条に定義する重大な犯罪
第五条 組織的な犯罪集団への参加の犯罪化
1 締約国は、故意に行われた次の行為を犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとる。
(a)次の一方又は双方の行為(犯罪行為の未遂又は既遂に係る犯罪とは別個の犯罪とする。)
(i)金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的のため重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意することであって、国内法上求められるときは、その合意の参加者の一人による当該合意の内容を推進するための行為を伴い又は組織的な犯罪集団が関与するもの
(ii)組織的な犯罪集団の目的及び一般的な犯罪活動又は特定の犯罪を行う意図を認識しながら、次の活動に積極的に参加する個人の行為
a 組織的な犯罪集団の犯罪活動
b 組織的な犯罪集団のその他の活動(当該個人が、自己の参加が当該犯罪集団の目的の達成に寄与することを知っているときに限る。)
(b)組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の実行を組織し、指示し、ほう助し、教唆し若しくは援助し又はこれについて相談すること。
2 1に規定する認識、故意、目的又は合意は、客観的な事実の状況により推認することができる。
3 1(a)(i)の規定に従って定められる犯罪に関し自国の国内法上組織的な犯罪集団の関与が求められる締約国は、その国内法が組織的な犯罪集団の関与するすべての重大な犯罪を適用の対象とすることを確保する。
当該締約国及び1(a)(i)の規定に従って定められる犯罪に関し自国の国内法上合意の内容を推進するための行為が求められる締約国は、この条約の署名又は批准書、受諾書、承認書若しくは加入書の寄託の際に、国際連合事務総長にその旨を通報する。
第六条 犯罪収益の洗浄の犯罪化
1 締約国は、自国の国内法の基本原則に従い、故意に行われた次の行為を犯罪とするため、必要な立法その他の措置をとる。
(a)
(i)その財産が犯罪収益であることを認識しながら、犯罪収益である財産の不正な起源を隠匿し若しくは偽装する目的で又は前提犯罪を実行し若しくはその実行に関与した者がその行為による法律上の責任を免れることを援助する目的で、当該財産を転換し又は移転すること。
(ii)その財産が犯罪収益であることを認識しながら、犯罪収益である財産の真の性質、出所、所在、処分、移動若しくは所有権又は当該財産に係る権利を隠匿し又は偽装すること。
(b)自国の法制の基本的な概念に従うことを条件として、
(i)その財産が犯罪収益であることを当該財産を受け取った時において認識しながら、犯罪収益である財産を取得し、所持し又は使用すること。
(ii)この条の規定に従って定められる犯罪に参加し、これを共謀し、これに係る未遂の罪を犯し、これをほう助し、教唆し若しくは援助し又はこれについて相談すること。
第七条 資金洗浄と戦うための措置
八条 腐敗行為の犯罪化
第九条 腐敗行為に対する措置
第十条 法人の責任
第十一条 訴追、裁判及び制裁
第三十四条 条約の実施
1 締約国は、この条約に定める義務の履行を確保するため、自国の国内法の基本原則に従って、必要な措置(立法上及び行政上の措置を含む。)をとる。
2 第五条、第六条、第八条及び第二十三条の規定に従って定められる犯罪については、各締約国の国内法において、第三条1に定める国際的な性質又は組織的な犯罪集団の関与とは関係なく定める。ただし、第五条の規定により組織的な犯罪集団の関与が要求される場合は、この限りでない。
3 締約国は、国際的な組織犯罪を防止し及びこれと戦うため、この条約に定める措置よりも精細な又は厳しい措置をとることができる。

 よく分からない点がいくつかある。

1.「第三条 適用範囲1 この条約は、別段の定めがある場合を除くほか、次の犯罪であって、性質上国際的なものであり、かつ、組織的な犯罪集団が関与するものの防止、捜査及び訴追について適用する。」とあるのに「各締約国の国内法において、第三条1に定める国際的な性質又は組織的な犯罪集団の関与とは関係なく定める。」となっていることだ。
国内組織が国際組織に容易に変化することへの対応か?
犯罪の共謀が組織的な犯罪集団に変わりうることか。
「ただし、第五条の規定により組織的な犯罪集団の関与が要求される場合は、この限りでない。」とあるから第五条の規定は入れとも良いと言うことだ。

2.この文「第五条1(b)組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の実行を組織し、指示し、ほう助し、教唆し若しくは援助し又はこれについて相談すること」の「これ」が指すもの。
 犯罪の実行だけなのか、それとも組織し、指示し、などのことなのか。5条の表題が組織犯罪なので後者か。

3.「第5条1(a)(i)金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的のため重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意することであって、」は物質的利益を得ることに限定されている。第五条1(b)は重大な犯罪に関して相談することである。
 この違いはなんだろう。合意と相談で分けているのか。範囲の狭い方が合意と厳密で、範囲の広い方が相談とゆるい。やはり組織化することすなわち指導者に重きを置いていると考えたい。
 また第5条1(a)(i)は組織に限定していない。だから合意にしているのかもしれない。しかし犯罪組織を条件にしてしまえば、この項目は意味が無いのかもしれない。

 
 今国会に出されている法律であるが、条約の精緻なつくりに比べ非常に簡易である。
 「第五条1(b)組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の実行を組織し、指示し、ほう助し、教唆し若しくは援助し又はこれについて相談すること」をそのまま法案にしたと言うことであろうか。

 この条約の趣旨に従えば、

○経済的犯罪(テロ集団への資金源を意味する。)については無条件に合意を犯罪とする。(共謀ではなく合意) また国内法的に問題であれば、行為と犯罪組織を条件とすることは可能(自民党の修正案がこれ)
○重大な犯罪一般は、指導者的な組織化などを犯罪とする。
○資金洗浄(マネーロンダリング)などについて犯罪化していない国もあるようなのでそれを明確化する。「相談」については、「自国の法制の基本的な概念に従うことを条件として、」と言う但し書きがついている。
○国際的な組織犯罪は条約の目的であるが国内法としては限定しない。
○組織犯罪は条約の目的であるが、資金洗浄(マネーロンダリング)などについては組織には限定しない。

 と言うことだろう。

 しつこいようだが、「第五条1(b)組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪の実行を組織し、指示し、ほう助し、教唆し若しくは援助し又はこれについて相談すること」の読み方が、法律の性格を決めるようだ。
 法律案にある「当該行為を実行するための組織により行われるものの」が法文上十分とは思えない。しかし文章で表現するのもなかなか難しいことも分かる。
 しかし治安維持法を実施した国でも有るし、頻発する警察の違法な取調べや、代用監獄に象徴される取調べの不透明性の多い国なので、何か限定をつけないとおかしなことになるだろう。

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2006/04/27 06:53
【正念場】民主、共謀罪の修正案提出へ 国際的犯罪に限定+α
民主党は26日の「次の内閣」会議で、共謀罪を新設する組織的犯罪処罰法改正案への修正案を正式に決定した。政府案やすでに提出されている与党修正案より、対象をさらに厳格にした。27日にも衆院に提出する。 ...続きを見る
散策
2006/04/27 07:06
民主、共謀罪の修正案提出へ
昨日共謀罪の根拠となる国際条約をエントリーしましたが、もっと早く国際条約を読むべきだったと反省している。いろいろ考えていたらお二人からTBを頂いた。 情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士氏には詳しく民主党の共謀罪の修正案について解説があった。 散策氏は広く見ておられるようだ。  一応記事を引用しておきます。 民主、共謀罪の修正案提出へ 国際的犯罪に限定 2006年04月27日02時30分朝日 民主党は26日の「次の内閣」会議で、共謀罪を新設する組織的犯罪処罰法改正案への修正案を... ...続きを見る
飯大蔵の言いたい事
2006/04/27 15:40
共謀罪
過去2度にわたって審議され、成立しなかった「共謀罪が今国会でスピード審議中。「犯罪の実行」なしで罪とできるのか、そこに悪影響はないのか。あなたのご意見をお願いします。 ...続きを見る
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2006/04/27 23:11

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