公的年金の運用について

 国会ではこんな質問が
共産党の小池書記局長は、公的年金の積立金の昨年度の運用実績が5兆3000億円余りの赤字になったことなどについて、「運用比率を変更しなければ、これほどの損失にならなかったのではないか。欠損を出して反省もないのか」と批判しました。
 NHKの報道では反論したことになっている。
これに対し、安倍総理大臣は「短期だけの話をしても意味がなく、長期で見なければいけないのは年金の運用では常識だ。安倍政権の3年間では27.7兆円のプラスで、40兆円すでに収益が積み上がっている。政権を批判するためだけに不安をあおるような議論は慎むべきではないか」と述べ、自主運用を開始した平成13年度以降の累積ではおよそ40兆円の黒字となっていると反論したうえで、「しっかりと運用の状況を注視している」と述べました。
 長期で見なければならないことは確かなのだが、質問は運用比率の変更なのであって、昔の運用比率で利益が上がっていると答えたのでは、質問者の論に賛成してしまうのだ。これを反論と称するのは、NHKが変であることを示すのみだ。
 答弁でもこれを強調したことは確かなのだが、論理の分らないものが引用するとこれが反論となる良い見本だ。

 実は反論した部分はきっちりとある。それは過去の運用比率を変えて過去の相場に適用したシミュレーションで利益を出しているとの反論だ、それこそ長期で利益を出せるとの反論だ。
 ただその反論が正しいかは別の話だ。

 株の運用で安定した利益を出すことは非常に難しい。それが可能だとしたら多くの投資家はもっと利益を得ていたはずだし、年金の運用ももっと早く株比率を上げていたはずだ。上記のシミュレーションでも時期が良かっただけかも知れないわけだ。リーマンショックを挟んでも利益が出ると言っていたけれど、リーマンショック後の回復は顕著だし、株価はそれ以前よりはまだ高いから利益が出せているだけであって、今後もし株価が下がれば利益など吹っ飛ぶわけだ。

 年金運用で株を買った時期、私も株を買おうかと思ったが、高くなりすぎて見送ったものだ。そう、年金で買った株は非常に高い時に買った物だ。だから今後順調に株価が推移しないと利益を出すどころではなくなるのだ。

 アメリカでも年金運用は債券中心だという。今世界の債権は利率が下がって運用は大変だろうと思う。リスクの高い商品に手を出そうとする意見はよく分る。
 だが、信念だけでは運用はうまくいかない。指摘に対して小馬鹿にした態度だけでは乗り切れないと思う。真摯な運用を行わないと年金離れは一層進んでしまうだろう。

"公的年金の運用について" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント