内閣総理大臣の臨時代理

首相官邸HPには次のように記載されている。
内閣法は、内閣総理大臣に事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う (第9条)と定めている。この規定による指定を受けた国務大臣が、内閣総理大臣が海外出張や病気等により職務遂行ができない場合の職務代行者となる。
 事故のあるときと欠けたときはどんな時なのか具体的にはよくわからない。後ろにある海外出張を含めるのかも含め、よくわからない。
 それと、臨時に職務を行える期間がどの程度なのか、これでは分からない。国会議員の国会召集要求に期間がかいていないのと同じく、永遠にというのかも知れない。

 さて関連するのは内閣総辞職だ。これについても首相官邸HPは記載している。
(3) 内閣総辞職
内閣総辞職は、内閣の一方的意思で行われ、その結果を国会に通知しなければならない。内閣総辞職が行われる場合としては、次の場合がある。

内閣総理大臣が欠けた場合
  内閣総理大臣が、死亡又は失格(議員の議席を失う)などの理由によって欠けたときは、内閣は総辞職しなければならない(憲法第70条)。

内閣総理大臣が辞意を表明した場合
  内閣総理大臣が、病気等の事由により自ら辞意を表明する場合がある。この場合も内閣の総辞職が行われている。

 対応する憲法の条文はこうだ。
〔不信任決議と解散又は総辞職〕

第六十九条 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

〔内閣総理大臣の欠缺又は総選挙施行による総辞職〕

第七十条 内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。
第五十四条 衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。

 憲法には内閣の意思で総辞職することには記載がない。同時に衆議院の解散を内閣の意思で行うことも記載はない。要するに事故、病気などによるやむを得ない場合以外には辞職が許されないと解すべきなのだろう。そして次の総理大臣を選ぶ日数は30日程度が手続きに必要な許された期間だと思う。

(4) 総辞職後の内閣(いわゆる「職務執行内閣」)についても記載がある。
総辞職した内閣は、憲法第71条により、新たに内閣総理大臣が任命されるまでは引き続きその職務を行わなければならないとされている。これは一時的にせよ行政が停滞することを防ぐためである。総辞職後の内閣は、新たな内閣総理大臣の任命とともに消滅するものであり、専ら行政の継続性を確保するために必要な事務処理を行うにとどまるべきものであって、それを超えて新規政策の実現に積極的に取り組むようなことは差し控えるべきもの、とされている。
 憲法では
〔総辞職後の職務続行〕

第七十一条 前二条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。
 総辞職には総理大臣が欠けている場合と存在している場合があるが、ここでの表現には差はない。内閣一体として職務に当たるとすれば総理大臣の有無は関係ないのかもしれない。欠けている場合に代理を行うのが臨時代理であると考えるのなら、職務執行内閣の規定の一部と考えられるのだが、それだけなのか?
 例えば短期の病気の場合、一時的に意識を失い職務が出来ないと考えれば、臨時に短期間だけ代理を行うこともありうる。

 もしこの二つの場合だけならもっと簡明に記述するべきだと思う。「事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたとき」ではなんにでも使えてしまう都合の良すぎる条文ではないのだろうか。恣意的に総理大臣を入れ替えて、国会の決議をなくすこともできるのではないか。

 明日は8月24日だ。「事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたとき」になるのだろうか?

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