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zoom RSS 処分保留は許されるのか

<<   作成日時 : 2018/08/28 01:25   >>

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 ドラマ検事・朝日奈耀子や京都地検の女では女検察官が処分を決められず、捜査を継続し期限ぎりぎりで事件を解決する。彼女たちは処分はまだ決められないと語り、最終的には事件を解決する。最終的には処分を保留などしない。だが現実には処分保留があるようだ。
埼玉県警は27日、同県深谷市の30歳代の男性を昨年11月に強盗致傷や強制わいせつなどの容疑で誤認逮捕したと発表した。男性は一貫して容疑を否認していたが、20日間勾留されて取り調べを受け、処分保留で釈放されていた。別の事件で逮捕した男(22)が容疑を認めたことから、男性が事件と無関係だったと判明。深谷署の古川貴夫署長が26日、男性宅を訪ねて謝罪した。読売
 以前にも処分保留に疑問を持ち書いたことがある。処分保留とは上から目線だ。 今回のものはこれの続きである。

 さて刑事訴訟法に書かれている、警察の捜査、検察の起訴の一連のルールを整理するところから入りたい。
第二百三条 司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。
5 第一項の時間の制限内に送致の手続をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
 省略した部分には弁護士の選任をしなければならないことが書かれている。48時間以内がここでの規定である。
 そして
第二百五条 検察官は、第二百三条の規定により送致された被疑者を受け取つたときは、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から二十四時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。
○2 前項の時間の制限は、被疑者が身体を拘束された時から七十二時間を超えることができない。
○4 第一項及び第二項の時間の制限内に勾留の請求又は公訴の提起をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
 さらに24時間追加できて、合計72時間となる。3日間だ。

 その次もある。
第二百八条 前条の規定により被疑者を勾留した事件につき、勾留の請求をした日から十日以内に公訴を提起しないときは、検察官は、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
○2 裁判官は、やむを得ない事由があると認めるときは、検察官の請求により、前項の期間を延長することができる。この期間の延長は、通じて十日を超えることができない。
 ここで10日プラス10日で20日追加できる事になる。

 上記合計で3日プラス20日で23日拘留して取り調べることが出来るとなる。その途中で起訴すればこの手続きは終わり次のステップに入る。あるいは起訴しないと決めることも出来る。これを不起訴と言うが、刑事訴訟法には不起訴とは書かれていない。公訴の提起をしないときと書いてあるだけだ。

 不起訴は法務省の事件事務規程に記載されている。
第75条 検察官は,事件を不起訴処分に付するときは,不起訴・中止裁定書(様式第117号)により不起訴の裁定をする。
 その内容は20項目有る。代表的なものだけを引用する。
(17) 嫌疑なし 被疑事実につき,被疑者がその行為者でないことが明白なとき,又は犯罪の成否を認定すべき証拠のないことが明白なとき。
(18) 嫌疑不十分 被疑事実につき,犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分なとき。
(20) 起訴猶予 被疑事実が明白な場合において,被疑者の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないとき。
 この法務省の刑事事件フローチャートにはもっと長いフローが書いてある。でも処分保留の記載は一切無い。

 ドラマの検察官は期限が来たら釈放となるので必死に事件を解決するわけだ。釈放ならば当然不起訴処分となるはずなのだが、それを必ずしないといけない規定はない。だから処分をせずに単に釈放すれば処分保留となるのか、そしてそれが許されるのか、調べたところでは確証がない。
 
 ところで面白い条文がある。
刑事訴訟法第二百五十九条 検察官は、事件につき公訴を提起しない処分をした場合において、被疑者の請求があるときは、速やかにその旨をこれに告げなければならない。
 被疑者が請求すれば処分の状況が分るはずだ。そして事件事務規程によれば
第76条 検察官が刑訴法第259条の規定による不起訴処分の告知を書面でするときは,不起訴処分告知書(様式第118号)による。
 文書が存在するはずだから開示請求が出来るはずだと思う。

 処分保留と法務省が言うのだろうか?被疑者が請求しないことをいいことにして事実を隠し、マスコミもそれに追従する形か。そんな事が許されていいのかと思う。

 ちなみに無罪となった場合、不起訴となった場合、拘留日数により国家賠償を受けることが出来るし、不当捜査により精神的身体的損害を受ければ民事訴訟も可能である。村木厚子氏は無罪のため裁判を行っている。

付録 長期拘留の法律
 起訴された後は保釈が原則なのだが、下記のような制限があって拘留され続けるようだ。
刑事訴訟法 第六十条
○2 勾留の期間は、公訴の提起があつた日から二箇月とする。特に継続の必要がある場合においては、具体的にその理由を附した決定で、一箇月ごとにこれを更新することができる。但し、第八十九条第一号、第三号、第四号又は第六号にあたる場合を除いては、更新は、一回に限るものとする。
 下記に並べた条件を付けて一ヶ月更新を何度もやるらしい。
・被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したものであるとき(89条1号)
・被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮にあたる罪を犯したものであるとき(89条3号)
・被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき(89条4号)
・被告人の氏名又は住居が分からないとき(89条6号)
 当然裁判所が判定するわけで、人質司法は裁判所が関与しないと出来ない。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
処分保留とは、便利な言葉のようです。
被疑者、被告人に対して容疑者、犯人といった言葉も上から目線ですね。
一般人
2018/08/29 16:56

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