新自由主義は世界を制覇す

 前回修正資本主義と新自由主義で先進国での変化を書いた。今回は発展途上国というか元植民地というか貧困国のことを考えてみたい。

 この仕掛けについて私が説明するより、いいサイトを見つけた。
にほん民族解放戦線^o^の 世界の収奪のカラクリ:世銀は途上国を救うためではなく搾取システムを構築するために存在する  そしてそこに引用してある
Emerging Revolution in the Southのミステリー:いかにして富が世界に貧困をもたらすのか
です。
 その一部です。
過去半世紀に亘り、米国の諸産業や諸銀行(及び他の西洋の諸企業)は、「第三世界」として知られるアジア、アフリカやラテン・アメリカのより貧しい地域に大量に投資してきた。多国籍企業を引き付けているのは、豊富な天然資源や、低賃金労働から生じる高利益率であり、また税、環境規制、労働手当や労働安全関連経費のほぼ完全な欠如である。

米国政府は諸企業の対外投資に対する税を免除し、移転経費の一部の支払いを受け持ちさえすることによって、この資本逃避に助成金を支給してきた――ここ本国で職が消失するのを目の当たりにしている労働組合の激怒をまえに。

多国籍企業は第三世界で地元商業を排除し、彼らの市場を先に専有する。米国納税者によって大量に助成された米国の複数の農業関連産業カルテルは、他の諸国で余剰生産物を原価以下で投げ売りし、地元農業経営者よりも安値で販売する。クリストファー・〔D・〕クックが『Diet for a Dead Planet〔死の惑星の食〕』で記述しているように、彼らはそれらの諸国で輸出用換金作物のために最良の土地を買い上げる。通例それは大量の殺虫剤を要する単一栽培作物であり、地元人口に食糧供給する数百種の有機栽培された食糧のための面積が次第に減少していく。

地元住民を彼らの土地から強制退去させ、彼らの自給自足能力を奪うことによって、諸企業は絶望した人で溢れた労働市場を創出する。彼らは貧民地区に押しやられ、(職を手にすることができた時には)乏しい賃金のため骨身を削って働き、多くの場合それはその国自体の最低賃金法に違反している。マイケル・パレンティ


 ここで行われている事は、基本としては昔の植民地政策と似ているのだが、現代は別の衣装をまとっている。植民地では総督が置かれ、軍事的、政治的に現地人を支配した。第2次大戦後民族自立の原則により、各国は独立をした。
 しかし、そこに新たな手法の支配の手が伸びた。それを新植民地政策といおう。

 三角貿易(Wiki)に昔行われていたことが書かれている。
ヨーロッパ → 繊維製品・ラム酒・武器 → 西アフリカ(カナリア海流)
西アフリカ → 奴隷(“黒い積み荷”) → 西インド諸島など(南赤道海流)
西インド諸島など→ 砂糖・綿(“白い積み荷”) → ヨーロッパ(メキシコ湾流・北大西洋海流)
 あるいは
清 → 茶 → イギリス
イギリス → 綿織物 → インド
インド → 銀、のちにアヘン → 清
 ヨーロッパからの繊維製品が植民地の産業破壊にいたる。
 西インド諸島の砂糖が単一栽培植物だ。(インドの綿花もある)

 今も経済的には植民地時代と大きな違いは無い。


 アメリカは乗り遅れた帝国主義国だから門戸解放を主張してきた。フィリピンの植民地経営がうまくいかなかったから方針変更をしたのかもしれない。
 そこで行おうとしたことは企業が開発の権利を買い、経済的に進出することだった。その最大の対象はまだ植民地になっていなかった中国だ。日本を叩き潰した後には中華民国による支配が安定し、アメリカ企業が自由に進出できるはずだった。それは思惑はずれだったのだが。

 戦後の中東の歴史や南アメリカの歴史は語れるほど勉強していないが、企業の利権あさりが基本であり、革命などにより企業財産が接収されることに対し軍事的にそして裏からの工作が多く行われている。西洋の国家犯罪が数多くある。
 また社会主義国の影響も無視できない。ある意味では発展途上国の奪い合いが起こっていた。発展途上国にとっての一つだけ切り札があったということを意味する。二つの力のバランスを利用することも可能ということだ。
 しかし、社会主義国の崩壊により唯一の切り札は失われた。

 西洋の諸国は新たな武器を手に入れた。それが金融だ。
 発展途上国では資本と技術とインフラが不足している。民族自立を遂げた各国は急速に発展させようと、それらを調達しようとする。その過程で私服を肥やす指導者もいるが、多くは本気で国を発展させようと思ったはずだ。日本が彼らの見本と映っていたのかもしれない。
 しかし日本も明治時代は借金国だった。一歩間違えば金融支配されかねない状況のはずだが、当時の金融は今とは性格が違う。戦後の復興過程でも同様の事態だが、日本は切り抜けてきた。しかし、その過程を日本は各国には示していないだろう。

 各国はそれらを満たすために、国際金融機関から借金をしインフラを作り、それをノウハウを持つ国際企業に託す。資本が無いので外国企業が進出することを歓迎する。同時に技術不足も克服できる。その結果が上記引用の通りになる。
 各国は借金まみれになり、国際金融機関すなわちアメリカなどの言いなりになっていく。植民地では軍事力により支配されたが、今は借金により支配される。
 それを覆そうと政策変更や革命やテロを行えば、容赦無い暴力(反対派への資金援助、クーデターなどの謀略、暗殺、軍事介入)が行われる。それが今の植民地政策だ。

 日本も海外進出を多くやってきたが、少しやり方が違う印象を受けている。それは日本が作った植民地経営が欧米の植民地経営と違うのと同じ意味かもしれない。日本のやったことを弁護しているのではないが、欧米のようにシステマチックに搾取をしていないことが違うような気がする。
 だから、日本の海外進出には失敗が多かったのだろう。

 先進国での産業空洞化は前回も書いてきたが、その要因の一つが発展途上国の低賃金にあり、それは新植民地政策のためだ。因果は先進国にめぐってくるのだが、富裕者にではなく先進国の貧困者にめぐってくる。
 先進国の国民を保護する義務を、先進国の国家が果たさなくなった時に、発展途上国の国民と先進国の貧困者は同列に立たされる。だからこそ先進国・・日本の新自由主義の問題を考えるにあたり世界の状況、発展途上国の状況の理解が必須なのである。

 9.11テロは世界の大事件だが、その背景や要因を理解している人は少ないだろう。日本のマスコミは情報収集力が弱いから、欧米のメディアの情報に頼っている。そこからテロの背景や要因は決して流れて来ない。
 私も結論を出しているだけで、それを説明できる多くの事実を持ち合わせてはいない。中東の問題を考えるにはイスラエルの歴史を理解することが必須であり、中東各国に対し欧米が何をして来たかを理解することも必須だ。レバノン大使だった天木直人氏がイラク戦争に異論を唱えたのはその事情を知っているからだ。

 発展途上国は非西洋の国々だ。西洋人が世界に進出し世界を不幸に落とし始めて以来、非西洋は苦しんできた。そして今も形を変えて西洋は世界を支配している。テロはそれに対する抵抗だ。

 日本で新自由主義を克服するために、民主党が政権をとればいいのか?そんな簡単な話ではない。自民党にアメリカから政治資金が流れていたことは知られている。民主党は自民党とそれほど違う政党ではないから、大事件は起こらないかもしれない。逆にアメリカへのメッセージとして民主党もそれほど違いは無いよと言うからこれで済んでいるとも言える。

 オーストラリアで労働党政権が勝ったらしいが、これもどれだけ政策が違うか良く分からない。イギリスの労働党は真っ先にアメリカの戦争を支持した。どうなるか、今後注視が必要だろう。

 アメリカの支配を脱するには、タフな政治力が必要だ。あからさまな反米は死を招く。アセアン諸国とあるいは中国、韓国との連携は重要なポイントだ。決してアメリカの代弁者として連携してはならない。中国のタフな外交を参考にするべきであろう。


 あからさまに反米も口に出来ず、国民の支持を受けるべく、政党はどんなマニュフェストを出せばいいのだろう。
 民主党が実はアメリカの支配を脱し、長年の西洋支配に終止符を打ちたいと考えて、曖昧な主張を続けているタフな政党なら立派なのだが・・・そんな事は無いでしょうね。 

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2007年11月26日 23:18
紹介ありがとうございます。

こういう事を平然とやっておきながら、「援助してやってるんだ」とうそぶく連中は、本当に芯から腐っていると感じます。
ロケットの夏
2007年11月27日 00:57
原油の高騰はアメリカの責任である。機関投資家は野放図なやり方で原油や穀物を買いあさり世界経済を混乱させている。にも拘らずなんらの規制もしようとしない。要は富裕層が儲かればよいのだろう。これが新自由主義の正体だ。日本の政治家はいつまでアメリカにすり寄るつもりだろう。これが本当に日本の将来に繋がると本気で思っているのだろうか。余りにもビジョンが無さ過ぎる。このままアメリカの傀儡を演じ続けて、この国の独自性を失えば、それはもう日本国とはいえないだろう。
2007年11月27日 22:53
コメント有難うございます。
仰るとおりですね。
多くの人に認識してもらうにはどうすればいいんでしょうね?そしてそれに続く行動は??

この記事へのトラックバック