米帝国主義ってなに?

 昔の大学の立て看。そこには大きく米帝国主義、日本帝国主義と書かれていた。(ソ連帝国主義は無かったが)
 米帝国主義とは何か。質問したような気もするが、それが何かは分からなかった。それを書いていた人たちも分かっていなかったような気がしている。

 今の米国の領域はイギリス、フランス、スペインの植民地だった。イギリスの植民地だった東部が独立し、その後その領域を広げていった。産業革命を経た先進的なヨーロッパに比べ後進国であったことは言うまでも無い。

 アメリカ大陸とヨーロッパ大陸の相互不干渉をモンローが宣言したが、始めからそれが実現できたわけではない。この方針は継続され、変更に至ったのは第2次世界大戦が終了してからである。
 第2次世界大戦に参加するのに、真珠湾攻撃が必要であったのは、国民が孤立主義を支持していたためであり、ヨーロッパに対する劣等感の表れでは無いかと思う。実際には第一次大戦前に工業力はイギリスを抜いていたのだが。

 しかし、孤立主義はアメリカの孤立主義ではなく、アメリカ大陸の孤立主義である。米国は中米、南米の支配に乗り出していった。この際のアメリカの進出は植民地化ではなく、経済進出の手法だ。イギリスも南米に対して同様に進出していたが、第二次大戦後は米国の支配が確立した。

 アメリカは太平洋にも進出した。ハワイを支配し、その後合併した。米西戦争によりフィリピンとグアム他を獲得したが、フィリピンは独立を認めていた。
 アメリカはカリブ海でも武力で支配したが、フィリピンでも度重なる反乱に手を焼いている。ヨーロッパの国も植民地の反乱に手を焼いたが、統治を続けた。アメリカとの違いは明確には分からないが、アメリカ方式がその後の主流になったことは歴史の示すとおりだ。

 アメリカは日本、中国にも同様に進出を図っている。日本が満州国を作ったときも、経済進出を図っている。日本がそれを拒否した事がその後の対立に発展したと考えている。さらに、日本が中国に本格的に進出したときにもアメリカの権益を確保するはずも無く、アメリカは国民党政府を通じてそれを実現しようとしたが、結果的に共産革命により頓挫した。

 アメリカのやり方は、親米政権を支援し、アメリカの企業が開発の権利などを購入、進出する。現地の安い労働力を活用し利益を上げる。同時にアメリカ製品の販路とする。相手国は軍事政権でも何でも良く、貧しいままにされる一般国民の反乱を抑えるように誘導する。指導者には巨額の富が集まるようになる。

 それに反対する政府が出来そうになると、資金援助、武器援助、ゲリラ組織の育成、さらには指導者の暗殺までも行う。(アメリカの国家犯罪全書に詳しい)

 これを最初にやったのは南米であり、国連での集団的自衛権の設定はアメリカ大陸の自衛と言うところか始まっている。上記の本には南米のみならず対象国は世界中に広がっている事が分かる。日本も例外ではなく自民党に資金が提供された事は最近話題になった。

 冷戦時代は親米政権を作る事に対してソ連が反抗した。ソ連も社会主義帝国主義のために多くの国を勢力化に置こうとしていたから、必然的に多くの衝突、軍事的衝突も含めて起こった。冷戦終了後はアメリカの一人勝ちになってしまった。

 エコノミック・ヒットマンの告白ジョン・パーキンスと言う本があることを知った。こう書いている。
エコノミック・ヒットマンは資源のある第三世界の国の指導者に近づいて、世界銀行の融資を受ければ飛躍的な経済成長が可能になるともちかけ、巨額の借入をさせます。でも実際の受益者は巨大なインフラ構築を請け負うべクテルやハリバートンのような米国の巨大企業(融資の大部分は彼らの手に落ちます)と、現地のエリート階級のみであり、庶民には国家が背負った巨大な負債のみが残ります。この借金はとうてい返済できないので、世銀の指導により社会福祉や民生支出が大幅に切り詰められ、天然資源が略奪されます。
 これはアメリカの植民地化した国に対してではなく、新たな進出の手法だ。そういえば日本のODAは借款によるものが多い。よく似ている。
 この手法は第三世界に対するもので、アジアの新興国が発展した後金融危機を迎えたのも、よく似た話だ。

 だが、さらに対象を広げて考える必要があるのではないだろうか。それは先進国だ。
 イギリスはイギリス病といわれた不況の中にあり、サッチャー政策が炸裂した。財政赤字のため社会福祉や民生支出が切り詰められた。規制が緩和され、民営化がなされ、格差が拡大した。第三世界の状況と同じでは無いのか。
 アメリカではレーガンの政策が炸裂した。ドイツもそれに続き、日本もそれに続いた。今年フランスが大きく舵を切った。

 米帝国主義はアメリカ本国も含んだ先進国をその手中に収めてしまった。アメリカを含む事は矛盾に見えるかもしれないが、米帝国主義の主体は米国の巨大企業だから矛盾は無い。そしてその企業群を所有しているのは大富豪達である。

 第二次世界大戦でファシズムが世界を征服する事を防ぐために連合軍が作られた事になっている。それを阻止したのはアメリカとソ連だ。いまはアメリカ企業が世界を征服しようとしている。

 南アメリカの諸国が左派政権を作り米帝国主義から脱しようとしている。アラブ諸国が独自の戦略で抵抗している。(現在は成功していると思えないが)中国が共産政権下の開放政策で微妙な歩みを見せている。

 上記の本の著者ジョン・パーキンスがアメリカの市民に実態を知らせようとしたのと同じように日本でも米帝国主義、(別名新自由主義またの名をグローバリゼーションという)の実態を知らせ、それからの脱却を模索しないといけないだろう。

 
 日本で政権交代が噂されている。イギリスでのブレア、アメリカでのクリントンがどれぐらい新自由主義を修正したかを踏まえ、民主党の政策を見つめなければならない。イギリス、アメリカでは新自由主義に絆創膏を張ったようなものだと思う。日本もそうなる事を恐れる。
 もしその恐れが現実的ならば、別の道を考える必要があるのだろう。
 

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この記事へのコメント

2007年09月08日 14:29
同感です。
新自由主義は新植民地主義。
よくもまあ、こんなに好き勝手にできるものだとあきれます。
2007年09月08日 22:46
とむ丸 さん
お久しぶりです。と言っても毎日読んでいるのでそんな気はしませんが。
田舎者
2007年09月15日 23:55
アメリカは正義とか世界平和の為、等々言っていますが、陰では薄汚い事を企んでいる国なのでしょね。
故、田中首相もアメリカによる薄汚い罠の犠牲者ですね。私は少なくとも、アメリカの覇権主義は許せないと思います。
2007年09月18日 01:35
田舎者 さん コメント有難うございます。
仰るとおり許せないですね。でもアメリカに反乱するのも自殺行為かも。
鎖国の奨めも読んでください。
通りすがり
2009年02月04日 21:18
http://www15.ocn.ne.jp/~oyakodon/newversion/yudayasensou.htm

↑ユダヤ金融資本と第二次世界大戦の関係について書かれています。
 ホームページの作りがやや胡散臭く感じられるかもしれませんが(笑。

ちなみに、記事の元はここです↓

http://dokuritsutou.main.jp/

リチャード・コシミズという方がやってるこのサイトには、911やオウム事件の真相と背景、ユダヤ金融資本による世界と日本の支配構造、世界のエネルギー問題を一発で解決する「常温固体核融合」という技術の紹介、日本国内に巣食う二大カルト宗教の実態などなど、本当にためになる情報があります。

お時間ありましたら、是非。

突然の厚かましいコメント、失礼しました。

では、さようなら!!
2009年02月04日 23:34
コメント有難うございます。
ユダヤ陰謀論、文字通りで言えば信じがたいですが、アメリカなどにおけるユダヤ一族の大金持ちの話を聞けば、信じないといっておれない不安感もありますね。
勉強します。

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