飯大蔵の言いたい事

アクセスカウンタ

zoom RSS 柳田邦男が警鐘を鳴らしている

<<   作成日時 : 2017/05/28 01:38   >>

ナイス ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

 毎日新聞5月27日(土)朝刊に掲載された柳田邦男の深呼吸。
    [民主主義の落日]
核心はぐらかす虚構の言語
 という題だ。

 内容については私もひしひしと感じている危機感、焦燥感を表現してくれたもので、新しい事実はない。だがこれほどコンパクトで核心を突いているコラムもないものだと思う。
 毎日新聞読者だけではなく多くの国民に読んで欲しい記事だ。ネットで見つけられなかったので、読み取りソフトの力を借りてテキスト化をした。





[民主主義の落日]
核心はぐらかす虚構の言語


          柳田邦男の深呼吸

戦後の歴代政権の中で、安倍政権ほど重要な政治案件をめぐって閣僚級の人物や官僚による欺瞞的な言葉の乱発や重要文書の内容否定、存在否定が常態化した時代はなかったのではなかろうか。
 私のように、少年時代に空襲を体験するなど、戦時下の空気を生々しく知る世代は、最前線の部隊の全滅を「玉砕」と美化されたり、敗退を「転進」とごまかされたりしたので、権力側の虚構の言語による世論操作に対しては敏感になっている。
 しかし、安倍晋三首相をはじめ閣僚級の政治家による問題発言は、日報を書かなければならないほど続出している。一体、これはいかなることなのか。
 安倍政権下での言語状況の問題点は、次の6点に分類できるだろう。
 @発言の言葉自体の問題。いわゆる「問題発言」だ。メディアはしばしば「失言」 「不用意発言」と書くが、むしろ「本音発言と書くべきだ。
 稲田朋美防衛相と今村雅弘復興相(当時)の発言についてはこの欄でも詳述したが、それ以外の問題発言のうち、最近の2例を記録しておく。
 ▽山本幸三地方創生担当相―
文化財を観光資源として活用することをめぐって「一番のがんは文化学芸員。一掃しないと駄目だ」と発言した。
▽古屋圭司・自民党選対委員長ーーーー
沖縄県うるま市長選で野党系候補が給食費の無料化を公約に掲げたことについて、フェイブックで「市民への詐欺行為にも等しい沖縄特有のいつもの戦術」と非難した。
 A懸案の法案や政治問題について、国会審議でも記者会見でも、核心をつく質問に対してきちんと答えず、はぐらかす。学校法人森友学園問題の審議での安倍首相の答弁や、「共謀罪」法案審議での金田勝年法相の答弁は、まさにそれだ。
 B法案の責任者なのに、理解不足で答えられない。「共謀罪」法案審議で野党が金田法相に対して質問しているのに、金田法相は「私の頭脳ではちょっと対応できない」と、法務省の刑事局長に答弁させる。
 C重要回題の真相を明らかにするうえで不可欠な公的文書について「作成していない」 「廃棄して存在しない」などと言って提出しない。南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に派遣されていた陸上自衛隊の日報について、防衛省ははじめ「廃棄して存在しな
い」としていたが、後になって「電子データにあった」と訂正。森友学園問題では、異例の国有地格安売却の経緯を示す財務省近畿財務局の文書は「廃棄した」といって提出されなかった。
 D重要問題の真相解明にかかわる文書が公表されると、徹底的な調査もせず、文書の正当性や内容について信頼性を否定する姿勢で対処する。森友学園問題でも学校法人加計学園問題でも、政府の対応は全く同じ構図だ。加計学園問題について、内閣府側か獣医学部
認可は「総理のご意向」などと伝えた文部科学省内の文書を菅義偉官房長官が「怪文書」と呼んだのは、真相解明の要求を門前払いする意図からだろう。
 E権力側に不利な文書を公表したり発言したりすると、その人物に対し人格を否定するような言葉を公的な場で投げつけて、文書や発言の信頼性を損なわせようとする。安倍首相は森友学園の龍池泰典前理事長について「非常にしつこい」と発言。加計学園問題では、
文科省の内部文書について「省内の文書で間違いない」と語った前川喜平前事務次官について、菅官房長官が「(同省の天下りあっせん問題が表面化した際)地位に恋々としがみついていた」と記者会見で批判した。

権力のトップやその代弁者が、公的な場で特定個人を人格攻撃するというのはただ事ではない。攻撃される側は権力者と対等に議論する機会を与えられず、圧倒的に弱いからだ。

「政治は言葉なり」と言われてきた。
政治家は自らの政治理念や政策提案について、有権者が理解し納得できるように言葉を尽くして説明し、反対意見や批判に対しても虚偽や隠蔽のない姿勢で、問題をはぐらかすことなく、とことん核心部分の議論をすることこそ、真の政治であるという意味だ。
 ところが、今の日本の政治は、重要な政治課題に関して、閣僚級の政治家も官僚も、説明責任を果たす言語表現力に欠けるばかりか、核心をはぐらかし、低劣な問題発言を続発させる。
 さらに深刻なのは、政策や行政のプロセスに関する文書をどんどん廃棄していることだ。文書の廃棄は、後世において政策の意思決定過程を検証するのを不可能にする。歴史に対する犯罪だ。
 安倍政権下でなぜこのようなおごりがまかり通るのか。それを支えるのは、衆院で自民・公明・維新の3党で議席の3分の2を占める圧倒的な数の力であり、自民党内の財政運用を総裁が一手に握れるように党規を変え「安倍1強」の基盤を築いたことであり、全省庁の幹部人事を首相が意のままに決められる制度の新設(2014年の内閣人事局設置)だ。   
 1人の人物への極端な権力の集中は、独裁国家への門戸を開く危険をはらむ。その状況下で憲法改正の日程が突如浮上してきた。私たちは、昨今の政治の動向の根底に流れるものを、しっかりととらえなければならない時代にいる。
          2017・5・27
やなぎだ・くにお 作家。次回は6月24日に掲載します。

『そもそも』の意味について辞書で調べたら「基本的にという意味もある」と答弁する安倍晋三首相。辞書にそのような記載は見当たらない=国会内で4月19日、川田雅浩
撮影

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 3
ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
柳田邦男が警鐘を鳴らしている 飯大蔵の言いたい事/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる