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zoom RSS 共謀罪を必要とする国際条約

<<   作成日時 : 2017/02/02 00:36   >>

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こんな報道だ。
政府は、組織的なテロや犯罪を防ぐための国際組織犯罪防止条約の締結に向けて、処罰対象を組織的犯罪集団に限るなど、共謀罪よりも構成要件を厳しくして、テロ等準備罪を新設する法案を今の国会に提出するため、最終調整を進めています。NHK
 条約の締結のために共謀罪が必要との報道だ。
 だがこの中だけでも妙な点がある。国際組織犯罪防止条約と組織的犯罪集団だ。国際が抜けているところが実は大問題なのだ。

 国際組織犯罪防止条約は外務省のページからたどってここにある。

 この条約が何のためにあるのかは国連のページにこう書いてある。
UNODCは、グローバルな犯罪に対処する新しい国際法律文書の発達を支援する。たとえば、2003年に発効した「国連国際組織犯罪防止条約(United Nations Convention against Transnational Organized Crime)」とその3つの議定書や2005年に発効した「腐敗の防止に関する国連条約(United Nations Convention against Corruption)」がある。また、締約国がこれらの条約を具体的に運用できるように支援する。刑事司法制度を近代化できるように政府の能力を強化する技術協力も行っている。その「組織犯罪対策・法の執行班」は、各国が、組織犯罪と闘うために、腐敗防止条約の線に沿って効果的かつ具体的措置を取るのを支援している。
UNODCは国連薬物犯罪事務所のこと
 条約の名前通り、この条約は国際犯罪の防止が目的なのである。

 条約に出てくる言葉の定義
第2条(a)「組織的な犯罪集団」とは、三人以上の者から成る組織された集団であって、一定の期間存在し、かつ、金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得るため一又は二以上の重大な犯罪又はこの条約に従って定められる犯罪を行うことを目的として一体として行動するものをいう。
 組織的な犯罪集団について規定された条約なのである。そして適用範囲は次の通り。
第三条適用範囲
1この条約は、別段の定めがある場合を除くほか、次の犯罪であって、性質上国際的なものであり、かつ、組織的な犯罪集団が関与するものの防止、捜査及び訴追について適用する。
(a)第五条、第六条、第八条及び第二十三条の規定に従って定められる犯罪
(b)前条に定義する重大な犯罪
2 1の規定の適用上、次の場合には、犯罪は、性質上国際的である。
(a)二以上の国において行われる場合
)一の国において行われるものであるが、その準備、計画、指示又は統制の実質的な部分が他の国において行われる場合
(c)一の国において行われるものであるが、二以上の国において犯罪活動を行う組織的な犯罪集団が関与する場合
(d)一の国において行われるものであるが、他の国に実質的な影響を及ぼす場合
国際的犯罪が対象である。

 しかるに国会ではこんな答弁をしたとする。
法務省の林刑事局長は1日の衆議院予算委員会で、「個別の犯罪ごとに予備罪を設ければテロ対策として十分ではないか」という指摘について、「判例によれば、犯罪の予備は客観的に相当の危険性が認められる程度の準備を要するとされている。例えば、テロ組織がハイジャックを計画し、航空券を予約・購入したとしても、相当の危険性があるとまでは言えず、予備罪が成立しない事例も多いと考えられる」と述べました。

そのうえで、林局長は「国際組織犯罪防止条約の5条で、重大な犯罪を行うことの合意を、未遂または既遂とは別に犯罪化することを義務づけていて、多くの罪に予備罪を設けるだけでは条約の締結は困難だと考えている」と述べ、個別の犯罪ごとに予備罪を新設しても条約は締結できないという認識を示しました。
 非常によく考えられた答弁なのであろう。嘘ではないが、問題に的確に答えているわけではない、そう言った答弁だ。
 前段と後段は全く関係ないことを言っているのだが、さも関係ありそうに並べているわけだ。前段は条約とは関係なくテロ対策について述べている。ハイジャック事例をあげて予備罪だけではテロ行為の未然防止が図れないことを述べているだけのことだ。
 野党の誤解に基づく質問を逆用し、テロ対策と条約を結びつけた手口なのだ。

 そして後段ではこの条約の適用条件を見事に隠して答弁している。まるで一般的な犯罪を取り締まるために、条約が共謀罪を個別の犯罪に適用しないといけないようだ。しかも「予備罪を新設しても条約は締結できない」は条約が個別の犯罪に共謀罪が必要とは言っていない巧妙な言い回しなのだ。

 今までの事をまとめると次のようだ。

 国際的な犯罪に対処するために国際組織犯罪防止条約が提案された。この条約の第一のターゲットは国際的な麻薬密輸、販売組織だ。条約で定義された「組織的な犯罪集団は金銭的物質的利益を追求する集団で、国際的な犯罪をこの条約は適用範囲とする。
 従ってテロ集団とは無関係の条約だ。
 共謀は「相談すること」という文言で関係するが、「客観的な事実の状況」によって推察出来ると指摘している。

 したがって、日本国内法の刑法に、組織犯罪(国際的をつけない)の共謀罪を付け加えることは、国際組織犯罪防止条約が要求していることではない。刑の種類をいくら減らしたところで関係のない議論だ。

 そして共謀罪の危険性は、日本における検察と弁護側の力の差によって極大化されるだろう。
 任意の拷問に近い取り調べ、弁護士の同席を許さない取り調べ、容疑者に有利な証拠は探さず、逆に隠したりする警察、そしてこれが最大の問題だがそのような検察警察の主張をそのまま認める裁判所。
 こんな状況の中で強力な武器になるのが共謀罪だ。現代の治安維持法と言われるのは上記の状況をベースにした議論なのである。

 共謀罪、嘘ばかりの理屈を数で可決するのだろうか?
 これは民主主義を確実に崩壊させるだけの力を持つ法律である。

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