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zoom RSS 南シナ海と国連海洋法条約

<<   作成日時 : 2016/07/14 00:58   >>

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 オランダ・ハーグの仲裁裁判所が中国に不利な裁定を出したとニュースで散々言っている。NHKではなぜか東シナ海の映像を流したりして、しかも解説なしだ。これこそ憲法改悪の理由だと言わんばかりに見える。

 だかこの件、報道だけではさっぱり分らない。報道が隠しているのか、中国の言い分が無茶なのか、アメリカの主張が偏っているのか、とにかく分らない。

 まず今回の裁定は国連海洋法条約に基づくものだから領土争いの裁定ではない。国連海洋法条約に定める領海、大陸棚、EEZを定めるものだ。その裁定で大きな焦点になるのが「低潮高地」と言うものである。
第13条 低潮高地
1 低潮高地とは、自転に形成された陸地であって、低潮時には水に囲まれ水面上にあるが、高潮時には水中に没するものをいう。低潮高地の全部又は一部か本土又は島から領海の幅を超えない距離にあるときは、その低潮線は、領海の幅を測定するための基線として用いることができる。
2 低潮高地は、その全部が本土又は島から領海の幅を超える距離にあるときは、それ自体の領海を有しない。こちら
 記事でははっきりしないが南シナ海の島と称するものの殆どが低潮高地とされたようだ。中国が関与したものもフィリピンが関与したものも両方あるらしい。

 海洋法上は低潮高地しかない海域は公海であってEEZも形成されない事になる。大陸棚についても島は関係なく、大陸からの距離などが問われるのだろう。

 さて、中国は九段線なるものを主張しているらしい。wikiを見れば元々台湾(中華民国)が主張した十一段線から二段とって九段線としたらしい。地図の上に破線を引いただけのもので、その正確な位置も明らかにしていないらしい。そしてこの内側の「海域」を支配地域とするらしい。
 中国は国際海洋法と国内法を根拠とするらしいから、この九段線は国際海洋法にないので国内法にあるらしい。しかしその中身はまるで分らないし、外国にはその法律を守る必要は一切ない。

 今回の裁定は国際海洋法に基づくので、国内法による九段線については裁定がないので当たり前である。そして国内法に基づいて何らかの規制をし、それが国際海洋法に違反するなら裁定で否定されるはずのものだ。

 九段線に基づく、あるいは島によるEEZなどを理由に漁や資源調査に制限を加えた場合は国際海洋法上は違反であると裁定が下ったわけだが、その影響範囲は直接領土を争っている国に限定される。

 九段線などを理由に商船などの無害通航が妨げられたとしたら大問題だ。国際海洋法上は領海であっても無害通航は許されている。日本はそれが犯されると宣伝しているように見えるが、そんな事例はあったのだろうか?

 例えばアメリカが軍艦でもって領海を無害通航らしからぬ航海をすれば、それは問題で、中国は島が領土であって領海もあると主張しているのだから、摩擦を産むことは明らかなことだ。
 日本が同じ事をやれば、やはり摩擦は生じる。だが、それは商船などの無害通航とは違うものだ。

 ところで日本は国際海洋法を1996年6/20に締結している。中国は同年6/7だ。アメリカは何時だろうと探しても、ない。批准していないらしい。そのアメリカが法の支配なんて言うのが今の国際社会の常識らしい。

 西洋社会は人が住んでいようと何であろうと、見つけた国の所有物であるとしてきた。国際海洋法ではそれを規定しているわけではないが、領海、大陸棚、EEZなる権利を領土を元に決めている。
 中国は西洋社会のルールではなく、古来からの領土だと主張している。これが西洋社会のルールへの抵抗であり主張でもあるのだ。

 だが中国は国際海洋法を締結している。通常はその規定に従う義務がある。裁定についても海洋法に記載されている。締結している以上は中国は裁定に従う義務があるわけだ。

ただここで規定されている裁判所は国際海洋法裁判所である。今回裁定を出したのは常設仲裁裁判所なのである。これは国際法だけではなく国際私法も扱うという。あるいは相手国が同意しなくても裁定を依頼出来るという。

 もう一つある機関が国際司法裁判所だ。これは国際法のみ、国家間のみだ。裁判結果を受け入れると表明した国にとっては裁判結果を守ることが義務となる。日本も受け入れている。しかしアメリカも中国も受け入れていない。裁判は両者の同意が必要となる。(ちなみに、日本との領土問題があるロシア、中国、韓国のいずれもが受け入れ国ではない)

 今回中国は常設仲裁裁判所の仲裁を受け入れる義務はないとの見解を出している。これは正しいのだろうと思う。だが一つの見解が出たことは、大きな意味を持つことだろう。


 しきりに法による支配を口にする。だが国家間についての法の支配は複雑怪奇だ。単純なプロパガンダに騙されてはいけないと思う。

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