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zoom RSS 憲法解釈変更の屁理屈

<<   作成日時 : 2014/05/04 00:51   >>

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 読売新聞が憲法記念日にこんな題で社説を載せている。憲法記念日 集団的自衛権で抑止力高めよ
 憲法記念日に載せるのにふさわしいと読売新聞は判断したのであろうが、屁理屈にもならない代物だ。

 自民党や安倍政権がしきりに解釈改憲を言うけれどその理屈は断片的にしか報道されない。読売新聞がそれをまとめて書いてくれたことはありがたいことだが、中身はすごいものだ。

◆解釈変更は立憲主義に反しない

 きょうは憲法記念日。憲法が施行されてから67周年となる。
 この間、日本を巡る状況は様変わりした。

 とくに近年、安全保障環境は悪化するばかりだ。米国の力が相対的に低下する中、北朝鮮は核兵器や弾道ミサイルの開発を継続し、中国が急速に軍備を増強して海洋進出を図っている。

 領土・領海・領空と国民の生命、財産を守るため、防衛力を整備し、米国との同盟関係を強化することが急務である。
 立憲主義云々は後段に出てくる。ここでの議論は何の関係もないので、ミスマッチだ。冒頭からだめな社説。
 日本を巡る状況は今がもっとも緊迫していると言う。だがそうだろうか?米ソが核戦争ぎりぎりといわれた冷戦時代はアメリカが絶対的な力を持っていたのか、中国やソ連は北朝鮮より少ないミサイルしか持っていなかったのか?
 そんなことはない。冷戦の終了で緊張は緩和したとする方が普通だろう。
◆日米同盟強化に資する

 安倍政権が集団的自衛権の憲法解釈見直しに取り組んでいるのもこうした目的意識からであり、高く評価したい。憲法改正には時間を要する以上、政府の解釈変更と国会による自衛隊法などの改正で対応するのは現実的な判断だ。

 集団的自衛権とは、自国と密接な関係にある国が攻撃を受けた際に、自国が攻撃されていなくても実力で反撃する権利だ。国連憲章に明記され、すべての国に認められている。

 集団的自衛権は「国際法上、保有するが、憲法上、行使できない」とする内閣法制局の従来の憲法解釈は、国際的には全く通用しない。
 ここでも見出しの日米同盟強化と関係ない議論だ。どんな感覚をしているのだろうか?
 国連憲章に集団的自衛権は記載されている。だが憲法が施行されてからの67年間で国際的に通用しないことがあったのだろうか?アメリカが「ショウザフラッグ」と言っただけだろうが。そのアメリカは安保条約で日本国憲法の範囲内で行うと認めているではないか。
 「国際的には全く通用しない。」は理由でも何でもない。
この見解は1981年に政府答弁の決まり文句になった。保革対立が激しい国会論戦を乗り切ろうと、抑制的にした面もあろう。

 憲法解釈の変更については、「国民の権利を守るために国家権力を縛る『立憲主義』を否定するものだ」という反論がある。

 だが、立憲主義とは、国民の権利保障とともに、三権分立など憲法の原理に従って政治を進めるという意味を含む幅広い概念だ。

 内閣には憲法の公権的解釈権がある。手順を踏んで解釈変更を問うことが、なぜ立憲主義の否定になるのか。理解に苦しむ。

 そもそも、解釈の見直しは初めてではない。政府は、過去に憲法66条の「文民」の定義に関する解釈を変えている。
 憲法を解釈することは必要なことだし、変わることもあり得るだろう。だが今の理屈は憲法を解釈しているだろうか?例えば冒頭の「安全保障環境は悪化するばかりだ」を理由として変えるべきだとすれば、憲法を解釈したことにはならない。「手順を踏んで解釈変更を問う」と言うが手順を踏んでいないから間違っているのである。
 立憲主義は「政府の統治を憲法に基づき行う原理」であって、三権分立だけをやっていればいいものではない。「幅広い概念」と言い訳を入れたつもりかもしれないが、全く意味をなさない。
◆限定容認で合意形成を

 集団的自衛権の行使容認は自国への「急迫不正」の侵害を要件としないため、「米国に追随し、地球の裏側まで戦争に参加する道を開く」との批判がある。だが、これも根拠のない扇動である。

 集団的自衛権の解釈変更は、戦争に加担するのではなく、戦争を未然に防ぐ抑止力を高めることにこそ主眼がある。

 年末に予定される日米防衛協力の指針(ガイドライン)の見直しに解釈変更を反映すれば、同盟関係は一層強固になる。抑止力の向上によって、むしろ日本が関わる武力衝突は起きにくくなろう。
 「根拠のない扇動である。」というが、この主張にも何の根拠も示さない。主眼が抑止力にあると言うが、抑止力にだけなるとは何も言っていない。
 これを厳密に適用すれば、「日本は集団的自衛権を行使すると明言するが決して使用しない。だから抑止力だ。」としているようだ。無駄の一言だ。
 最後の「日本が関わる武力衝突は起きにくくなろう。」がなんとも不確かな言い方だ。自信がないのだろう。
政府・自民党は、集団的自衛権を行使できるケースを限定的にする方向で検討している。

 憲法9条の解釈が問われた砂川事件の最高裁判決を一つの根拠に「日本の存立のための必要最小限」の集団的自衛権の行使に限って認める高村自民党副総裁の「限定容認論」には説得力がある。

 内閣が解釈変更を閣議決定しても、直ちに集団的自衛権を行使できるわけではない。国会による法改正手続きが欠かせない。

 法律面では、国会承認や攻撃を受けた国からの要請などが行使の条件として考慮されている。

 自民党の石破幹事長は集団的自衛権の行使を容認する場合、自衛隊法や周辺事態法などを改正し、法的に厳格な縛りをかけると言明した。立法府に加え、司法も憲法違反ではないか、チェックする。濫用らんようは防止できよう。
 「「限定容認論」には説得力がある。」と言われても説明も何もないので全く説得力はないと普通に思うだろう。
 国会や最高裁のチェックはそれらが憲法を守る意志があれば意味があるが、国会について言えば絶対多数を持つ今の政権では意味はない。三権分立が機能すればそれなりに濫用は防止できるが、立憲主義とはそれに加え憲法を守ること国民がを要求する事である。
 なお「攻撃を受けた国からの要請などが行使の条件」と言うがこれは国連憲章での集団的自衛権の条件であるので限定使用のためのものではない。
集団的自衛権の憲法解釈変更については、日本維新の会、みんなの党も賛意を示している。

 公明党は、依然として慎重な構えだ。日本近海で米軍艦船が攻撃された際は日本に対する武力攻撃だとみなし、個別的自衛権で対応すればいい、と主張する。

 だが、有事の際、どこまで個別的自衛権を適用できるか、線引きは難しい。あらゆる事態を想定しながら、同盟国や友好国と連携した行動をとらねばならない。
 最後の文章はこういう意味だと思う。「 だが、有事の際、個別的自衛権だけでどこまで対応できるか、難しい。あらゆる事態を想定しながら、同盟国や友好国と連携した行動をとらねばならない。」こういった事を議論しないといけないのだろうが、その中身が国民に示されたことはない。
 「日本近海で米軍艦船が攻撃された際」と言っても、それが日本の安全保障に影響するかどうかは場合によるだろう。安保条約による共同作戦が開始され自衛艦が近くにいるときと、米軍艦船が単独航行をしているときでは状況は違うだろう。そしてこれこそが個別的自衛権の議論なのだと思う。
◆緊急事態への対処も

 武力攻撃には至らないような緊急事態もあり得る。いわゆる「マイナー自衛権」で対処するための法整備も、検討すべきである。

 先月、与野党7党が憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案を国会に共同提出した。今国会中に成立する見通しだ。

 憲法改正の発議が現実味を帯びてくるだろう。与野党は共同提出を通じて形成された幅広い合意を大切にして、具体的な条項の改正論議を始める必要がある。

 安倍政権には、憲法改正の必要性を積極的に国民に訴え、理解を広げていくことも求めたい。
 「マイナー自衛権」とは例えばこんなケースらしい。「外国潜水艦が領海侵入し、退去要求に応じない場合の実力行使の是非」
 これは個別的自衛権の話だ。別途議論の必要はあるだろう。

 解釈改憲をなぜするのか、社説ではこう言う。「憲法改正には時間を要する以上、政府の解釈変更と国会による自衛隊法などの改正で対応するのは現実的な判断だ。」
 時間を要する理由を読売は言わないが、国民の理解を得られないからだ。だから国民を無視して解釈改憲をするのだろう。
 今までも憲法改悪を主張してきたから最後に入れたのだろうが、蛇足と言うべきだろう。

 長文で解釈改憲をまとめてくれたのは有り難い。だが、屁理屈にもならない代物だ。日本の政治も劣化したと言わざるを得ないだろう。

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ええっマジかよ?集団的自衛権限定新案
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反戦塾
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内 容 ニックネーム/日時
立憲主義は「政府の統治を憲法に基づき行う原理」であって、三権分立だけをやっていればいいものではない。「幅広い概念」と言い訳を入れたつもりかもしれないが、全く意味をなさない。

こんなこと言っててすごい面白かったです。立憲主義は「憲法に基づき政治を行う原理」であり、権利分立、基本的人権の保障、法治主義などをその具体内容としてます。読売さんは間違ってないし、三権分立だけをやってればいいなんて書いてないですよ~
ちゃんと法律勉強しましょうね。

2014/05/09 23:39

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