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zoom RSS 生涯にわたる累積線量の限度を100ミリシーベルト

<<   作成日時 : 2011/07/26 20:57   >>

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 最初はテレビで聞いた。
食品安全委、生涯累積被ばく目標値示す
食品安全委員会は26日の会合で、大気などによる外部被ばくと、食品の摂取などによる内部被ばくを合わせた累積線量が「生涯で100ミリシーベルトを超えないように」との目標値を示しました。 TBSニュース
 目標値とは何か?超えない目標値は限度ではないのか?それとも、生涯で被曝をすべき目標値なのか?

 次には新聞だ。
生涯累積線量:食品安全委「100ミリシーベルト」答申へ
食品を通じた放射性物質の健康影響を評価していた食品安全委員会(小泉直子委員長)は26日、作業部会を開き、内部被ばくと外部被ばくを合わせ、生涯にわたる累積線量の限度を100ミリシーベルトとすることで取りまとめた。同日中にも検討結果を厚生労働省に答申していく。厚労省は暫定規制値の見直しを検討するが、規制値の引き下げが議論になる可能性がある。

 作業部会はこれまで、広島・長崎の被爆者疫学データなどを検討し、成人については「100ミリシーベルトを超えるとがんのリスク増加など健康影響が明確」と判断した。また、「大人より感受性の強い子供にも留意する必要がある」とし、子供の健康に配慮した規制値の必要性も示した。 毎日
 こちらでは「生涯にわたる累積線量の限度を100ミリシーベルト」とはっきり書いてある。その根拠は「100ミリシーベルトを超えるとがんのリスク増加など健康影響が明確」と何かの引用であるように書いてある。どこからの引用なのか探ってみよう。

 食品安全委員会の開催から探れば食品安全委員会(第392回)の開催についてを見つける。そこから作業部会とは放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループであることが分かる。

 これをキーに食品安全委員会の会議資料ページで検索をかけると資料が出てきた。

 第7回2011(平成23)年7月13日
資料 5: 評価書 ( たたき台 )
  これには生涯累積線量はでてこない。
第 8 回2011(平成23)年7月21日
資料 2: 食品健康影響評価
 こちらに初めて出てくる。
 
以上から、本ワーキンググループが検討した範囲においては、成人に関しては放射線による悪影響が見いだされているのは、追加の累積線量としておおよそ100msv以上と判断した。さらに、小児に関しては、成人より影響を受けやすい可能性に留意することが必要と考えられた。
 この追加部分に関し座長から提案があったと議事録にある。
第 9 回2011(平成23)年7月26日
資料 : 評価書 ( 案 )
以上から、本ワーキンググループが検討した範囲においては、放射線による悪影響が見 いだされているのは、通常の一般生活において受ける放射線量を除いた生涯における累積の実効線量として、おおよそ100 mSv以上と判断した。
なお、小児に関しては、より影響を受けやすい可能性(甲状腺がんや白血病)があると考えられた。
100 mSv未満の線量における放射線の健康影響については、疫学研究で健康影響がみられたとの報告はあるが、信頼のおけるデータと判断することは困難であった。種々の要因により、低線量の放射線による健康影響を疫学調査で検証し得ていない可能性を否定することはできないが、追加の累積線量として100 mSv未満の健康影響について言及すること は現在得られている知見からは困難であった。
 この根拠と思われる文献の表現がこれ。
A広島・長崎の被爆者における固形がんによる死亡の過剰相対リスクについて、被ばく線量0〜125 mSvの群で線量反応関係においての有意な直線性が認められたが、被ばく線量0〜100 mSv の群では有意な相関が認められなかったことを報告している文献 (Preston et al. 2003)
B広島・長崎の被爆者における白血病による死亡の推定相対リスクについて、対照(0 Gy)群と比較した場合、臓器吸収線量0.2 Gy以上で統計学的に有意に上昇したが、0.2 Gy未満では有意差はなかったことを報告している文献(Shimizu et al. 1988)
 あるいは小児について
また、小児に関しては、線量の推定等に不明確な点のある文献ではあるが、チェルノブイリ原子力発電所事故時に5 歳未満であった小児を対象として、白血病のリスクの増加を報告している文献(Noshchenko et al. 2010)があった。
 また、甲状腺がんについては、チェルノブイリ原子力発電所事故に関連して、被ばく時の年齢が低いほどリスクが高かったことを報告している文献があった(Zablotska et al. 2011)。
 さらに、胎児への影響に関しては、1 Gy以上の被ばくにより精神遅滞がみられたが、0.5 Gy以下の線量については悪影響が認められなかったことを報告している文献(UNSCEAR 1993)があった。
 ここでの言い方は「成人に関しては放射線による悪影響が見いだされているのは、追加の累積線量としておおよそ100msv以上と判断した。」である。影響の出るのは100msv以上のいずれかの値であり、100msv以下では問題がないと言っている。どうしてこの表現が「成人については「100ミリシーベルトを超えるとがんのリスク増加など健康影響が明確」と判断した。」になるのか、全くおかしい。

 又原爆での被爆は生涯被曝ではなく一時の被曝である。同じ生涯被曝量であっても短時間の被曝の方が長時間の被曝より厳しいことは明らかなことだ。原爆のデーターは参考データーにしかならないだろうと思う。
 小児への影響も大きいだろうとは誰しも思うところだが、定量的に示せなければ対策のしようがない訳で残念なことだ。

 文献を探る限り7回の報告書に言うように、低被曝に関する限度量は結論が出せない。そこで無理に生涯被曝量を出してきたが、その表現も言える範囲に留まっていた。だが報道では勝手に「限度量」としてしまっている。これは誰の誘導なのだろうか?
 常識的に考えても食品安全委員会が自然被曝以外の被曝すべてを決めるのは変だと思わないのだろうか。汚染された大地から受ける被曝量、医療から受ける被曝量、海外旅行で受ける被曝量などが食品と何か関係あるのだろうか?
 放射線被曝量限度量については、胡散臭いと思います。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんわ〜。おせわになります。なぜに「生涯」が目標になるのか?かの平和利用推進なICRPでさえ人工的なものは、もし受けた時は年1ミリシーベルトなのだし、日本の法律も同じです。人工的なものはゼロが一番いいのですが、それでは現実的な輸入品や飛行機を使う生活ができないから。。
帰りのガソリンのない飛行機で戦闘に行かせた、国民の命は1番でない役所の態度と同じですね。
さとし君
2011/07/27 01:05
さとし君 さん コメント有り難うございます。
知見データーが生涯データーだったことがその理由です。使いにくいとか使えないとかと言われるのは当然でしょう。
原発の被曝が便利な生活と引き替えに出来るのかが判断でしょう。この被曝は役所にとって痛くもない事でしょう。国民と役所の判断は違うのかな。
飯大蔵
2011/07/27 23:33

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