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help RSS 「希望学」について

<<   作成日時 : 2009/09/14 22:40   >>

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 NHKのクローズアップ現代で知ったのだが、「希望学」なるものが今はやっているそうな。こんなものが学問なのだろうか?

 希望学プロジェクトのHPがあり。ここで「希望学とは」と解説してくれている。
 希望学は三本の柱から成り立つ。第一が希望の思想研究である。これの答えが
ところでそもそも希望とは、何なのだろうか。思想研究を重ねるうち、希望に関する一つの社会的定義が浮かび上がった。希望とは「具体的な何かを行動によって実現しようとする願望」だと。
 とまとめられている。
 第二の柱は、データ重視の実証分析である。これは社会科学的分析である。こんな調査をしたそうだ。
希望学では二度の全国調査を実施、希望を持つ人と持たない人の違いを検証した。二十歳以上六十歳未満の約二千人に対する調査からは、三人に一人が「希望がない」もしくは「希望はあっても実現見通しがない」と答える日本社会の実態があった。
 このような調査をするには定義であるとか、影響する因子の設定とか結果を左右する重要なものを決めていく事が重要である。
第三の柱は、岩手県釜石市を対象とした包括的な地域調査である。こんな結果を導いている。
その結果、地域における希望の再生には「ローカル・アイデンティティ(地域の個性)の再構築」、「希望の共有」、「地域内外でのネットワーク形成」の三つが不可欠という仮説に、希望学は辿りつくこととなった。

 
 さて現代の日本に「希望」が少なくなった事は皆が認めている事だろう。それは人々の表情がさえなくなった事でも分かる。過去の日本の庶民の顔、現在の発展途上国の庶民の顔、それは輝いている。それを希望を持つということだと考えれば、おおむね正しいと思う。同じような概念は「国民総幸福度」でも言われている事だ。
 希望の思想研究として「実現したい願望」と定義つけるのはおおむね正しいのだろう。問題はこの概念を使って何をするのかである。

 釜石市での例はうまく言った地方の再生であり、それを希望の有無という物差しで見れば希望を持つようになったということであり、ここでの成果は希望学の成果なのだろうか?この成果は地方再生の成功例を希望学的に述べただけではないのだろうか。

 希望が成就するか否か、そして実現の可能性に左右される「希望」の有無は、経済力などの格差によって大きく違うと調査によって明らかになっている。
 本当はもう少し調査が必要なのだろう。それは希望の大小は格差の大きさによって変わるのか。格差が固定されているか否かによって変わるのかだ。私は経験的に階層間移動が容易な世界は「希望」が持てることを知っている。そして現代の日本において格差が固定化されつつあること、階層間移動が困難になりつつある事を知っている。

 希望学での調査でもこうなっている。
定量分析では、収入、仕事、教育、余命、健康などによる選択可能性の程度が、希望を左右することが明らかとなった。それゆえ高齢社会、経済停滞、進学困難、健康不安などは、希望の喪失感の広がりに直結する。
 希望学の目的が人々に希望を持たせることならば、経済停滞や進学困難を是正する事が必要との結果になる筈なのだが、なぜかそうはならない。
定性分析からもいくつかの事実が見出された。過去に挫折や失望を乗り越えた経験が、将来に希望を持つ傾向を促す「挫折による学習効果」。無駄を一切排除する志向性が未来への創造性や柔軟性をも奪ってしまう、希望に対する「負の効率効果」。これらは、今後さらなる検討が求められる新たな発見である。
 難しい言い回しだが、要するに心の持ちよう、あるいは経験もしくは訓練によって希望が持てるかのようだ。

 NHKの番組の最初を聴いたときに、「希望学」にはアプローチと言うか行き着く先と言うかそういったものが二通りあると思った。
 その一つが国民に希望を持たせつにはどうするべきか、社会条件、政治といっていいのかも知れないが、この国をどうするべきかに直結する答えを求めるもの。
 もう一つは社会の条件は触らずに、閉塞した社会のなかで人はどのように努力をすれば「希望」が持てるのかを求めるもの。この一つの例が釜石であった事から「希望学」が何を目指すのか分かった。

 世間でこれが評判になっているようだが、どうやら企業向けのコンサル用なのだろう。あるいは大学人の失業対策のための「学」であると結論も出る。商売のネタはどこにでもあるようだ。

 希望学とアメリカンドリームは良く似ていると私は思う。

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