飯大蔵の言いたい事

アクセスカウンタ

help RSS 農地法改正案を成立させて良いのだろうか

<<   作成日時 : 2009/05/04 21:38   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 2 / コメント 2

 農地法改正案が私の読んでいる毎日新聞に載っていなかったみたい。遅ればせながらそれを知った。
農地利用権、自由化へ 農地法改正案、自・民が合意2009年4月28日4時21分
 農地の有効活用を進める農地法改正案を巡り、自民、民主両党が27日、修正に合意した。39年ぶりとなる農地法の大規模改正が今国会で成立する見通しとなり、農地を耕作者が「所有」するという考え方から、一般企業なども含めた「効率的な利用」を促す方向に改める。

 改正によって、有休農地の活用や効率的な大規模農業の促進を図るために、賃貸借など農地の利用権を原則自由化する。企業が条件の良い農地で農業を営む場合などに作る農業生産法人の出資比率を大幅に緩和し、農地の賃貸借の期間を最大20年から50年に拡大する。

 焦点となった農地の所有について、政府は「耕作者による農地所有は変わらない」と主張してきたが、民主党などは「権利を拡大した利用者による農地の実効支配が進めば、なし崩し的に企業による農地所有に道を開く」と反発していた。 朝日
 今回の改正は非常に大きなものだそうだ。改正点は農地を借りやすくすることであり、賃貸権50年にもなれば所有権とそれほど大きな違いはないと言えるだろう。これが「企業による農地所有」への道だと指摘がされている。自民党は企業献金に支えられた政党だから、企業利益に邁進すると考えるのが普通だ。この改正案も同じく農業を舞台として企業利益を考えていると思うのが、普通だろう。

 農水省は食料自給率向上を唱えている。これは政府の進める自由貿易化と対決するものだから、頑張ってほしいと言いたい。(それが、省の権益拡大につながろうと、国民の利益が大きければ許されるだろう)ただ今回の法律がそれに合致しているか、よく分からない。
 ブッシュ大統領が食糧自給もできない国は安全保障が出来ていないと言ったように、日本は安全保障が出来ておらず、その原因を作ったアメリカにこんな言い方をされるのは皮肉なことだ。
 農業政策はこういった観点で見るべきであって、農地法改正は農家や地方に関する法律に収まらない、重要な法律改正であると認識するべきだ。

 これに対し民主党は反発し、改正案の修正を申し入れたそうな。
修正で、法の目的を定める第1条に「耕作者による所有が果たしてきている重要な役割も踏まえ」と明記し、耕作者主義への配慮を確認。さらに一般企業の農業参入には、執行役員から「(農業への)常時従事者」を置くことを義務づけ、企業による農地支配に一定の歯止めをかける。
 法の目的に農地所有の意義を入れるのはいいが、そのあとの条文を放置すれば何の意味もないのではないだろうか。名をとって実を捨てることにはならないのだろうか?
 執行役員を置こうとも、株式会社経営の中で権限の低い執行役員では大きな意味はないのではないか。ただ、これに取締役を充てようとも、その意味は小さいのではないだろうかとも思う。
 そもそもこの項目は、外資などのファンドが、農地賃貸権を投資の対象にし、実際に自ら農業をせず転売することを防ぐものだ。執行役員だけでは抜け道はいくらでもあるし、たとえ企業が農業を実際に行っても、弊害は出ると思われる。

 実際に日本の農業に真剣に取り組んでいる企業はあるだろうし今後も出るだろう。しかし、企業の利益だけを考えた参入があるのではないだろうか。私がそんな立場ならこんなことを考える。
 1.広くて、いい農地を借り、高級ブランド米を生産する。米は海外の富裕層を中心に売る。
   同様に高級な野菜を作りこれまた富裕層に売る。(安倍晋三が盛んに言っていたことだね)
 2.次に広くていい農地を借り、高収量の米を作る。農水省の自給率向上の取り組みに合致させて、補助金を狙いにする。農業従事者は海外からの労働者あるいはそれと同等賃金の国内非正規労働者を使う。
 3.これらの取り組みをしても赤字になる小規模農地、山間農地は決して借りたりはしない。

 今政府が奨励している地域に根ざした大規模農業経営は上記の企業の競争相手になる。当然ながら大資本が有利であるがゆえに、淘汰されていくだろう。これの帰結は、条件のいい農地だけが大企業に長期に賃貸され、政治圧力を強めた農業政策を要求するだろう。
 条件の悪い農地は今と同じく捨てられて行き、食糧自給率は上がらず、山間農地は捨てられ限界集落はなくなって行くだろう。ファンドの農地転売だけを防いでも、日本の農業は悪い方向に行くのだろうと思う。

 そもそも農業がここまで衰退したのは、要するに食えないからだ。採算が取れないから衰退するわけだ。企業が参入したり大規模経営をすればコストが下がり採算がとれるのだろうか。それを改善するのが高級品を作ることであり、労働コストを下げることである。しかし労働者も国民であるからそれを虐めては政策にならない。
 農業コストは国民全体で負担するしかないし、農業政策は国全体で考えるものである。企業の活力を生かすことはいいことであるが、国民もしくは国が企業を活用するのであって、決してその逆であってはならない。

 食の安全は国民の生存権の基本だ。国会の議論でももっと基本的なことを論じて欲しいと思う。民主党がこの程度の修正で賛成することが残念でならない。

テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
さらに農業問題
先のエントリー、農地改革について、がんさんから示唆に富むコメントと、がんさんのブ ...続きを見る
瀬戸智子の枕草子
2009/05/05 13:21
農地改革
暴論書きます。 ...続きを見る
ろーりんぐそばっとの「ため口」
2009/05/08 17:01

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
食料自給率を上げることが目的なのか、付加価値を高めて富裕層や海外にに売る事が目的なのかよく分からんのですよ。
農業ほど行政の思いつきに振り回され、かつ疲弊した産業はないですよ。
農業は単なる製造業ではない。言いたいことは山のごとく有ります。
ロケットの夏
2009/05/05 22:06
ロケットの夏 さん
私も言いたいことはまだまだ山のようにあります。
高い食品輸出は価格ベースの食糧自給率を上げます、なんてね。
飯大蔵
2009/05/05 23:53

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
農地法改正案を成立させて良いのだろうか 飯大蔵の言いたい事/BIGLOBEウェブリブログ
[ ]