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help リーダーに追加 RSS 後期高齢者医療制度に対する医師会の見解

<<   作成日時 : 2008/05/15 00:57   >>

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 オフイス・マツナガはこう言っている。
医師会が2000年8月にまとめた『2015年医療のグランドデザイン』というのがあります。これは、インターネットでダウンロードできますので、ぜひ見て欲しいのですが、このなかで『高齢者医療制度の概要』というのがあって、いってみれば今回の制度の骨子がすでにまとめられています」

 『2015年医療のグランドデザイン』は必見。

 しかし、肝心の推進役だった全国各地の医師会は、いま、この制度に反旗を翻している。
後期高齢医療制度、まだまだ、狸もいれば、狐もいる模様。
 これは正しいのか?2015年医療のグランドデザインにはこのように書いてある。
@75歳以上のすべての後期高齢者を被保険者とする独立した医療制度であること。
A財源として公費を重点的に投入すること。
B独自の診療報酬支払方式を設定すること。
C保険者を都道府県とすること。
D段階的実施の提案
 今の医療制度によく似たことが書いてある。しかし、これぞ似て非なるものの典型だろう。
 後期高齢者の診療報酬体系のあり方について 2007 年9 月14 日 社団法人 日本医師会を読めば医師会がこの制度に賛成していないことがよく分かる。
後期高齢者医療に対する3つの基本的考え方
(1)尊厳と安心を創造する医療
(2)暮らしを支援する医療
(3)地域の中で健やかに老いを支える医療
 この考え方と、政府の言う若年者の負担軽減の考え方とは大きく違う。
 医師会は高齢者の特徴から、保険の考え方から福祉の考え方をとると言っているのであり、壮年者と違う医療が必要だと言っているのであり、もはや働けない貧困者からは保険料すら取らないようにと言っているのである。
 役人なのか、政治家なのか、財界人なのかは知らないが、医師会の報告のうち、都合の良いところだけをとっただけで、医師会が後期高齢者医療制度の推進者は言いがかりであり、共犯者にしようとしているものだ。
 次にある主張はもう少し具体的に述べたものだ。
日本医師会は、2008 年4 月に始まる後期高齢者医療制度については、あくまでスタートラインと位置づけ、あるべき姿について以下のように提案する。
後期高齢者医療制度の基本的スキーム(日本医師会案)
1.目的
国民が「格差」に苦しむことなく、安心して高齢期を迎えることができるよう、公平な医療を受けられることを約束する。
2.対象
75 歳以上(以下、75 歳以上を「後期高齢者」という)。
3.保険者
都道府県を単位とする。
4.理念
後期高齢者は疾病が発症するリスクが高く、保険原理が働きにくい上、保険料、患者一部負担は後期高齢者にとって大きな負担になる。したがって、後期高齢者が所得格差の不安なく過ごせるよう、国は「保障」の理念の下で
支えるべきである。
5.財源
「保障」の理念の下、給付割合を高め、財源には公費を重点的(医療費の9 割)に投入する。公費は原則国庫が負担し、財源の地域間格差が生じないようにする。
「高齢者の医療の確保に関する法律」により2008 年4 月の公費負担割合は給付費の5 割でスタートするが、これを段階的に引き上げる。また、これに伴い後期高齢者支援金(従来の老人保健拠出金)は廃止する。
保険料と患者一部負担は合わせて医療費の1 割とする。保険料の一部は所得に応じた負担(応能負担)とし、極力地域間格差が生じないような対策を講じる。患者一部負担割合は所得によらず一律とし、さらに将来の引き下げ
を検討する。
6.診療報酬
外来は出来高払いとする。入院も原則出来高払いとし、慢性期の一部を選択制の包括払いとする。いずれの場合も、個々の病態に配慮しない画一的な支払方式に陥らないよう、柔軟な対応を行う。
(社)日本医師会「グランドデザイン2007−国民が安心できる最善の医療を目指して−総論」(2007 年3 月)より
 私はここにあるもののうち、何故高齢者だけの保険とするべきなのか、未だに理由が分からない。高齢者に特別なものが必要なのは治療体制であり、その医療費の負担だ。国民年金加入の高齢者が医療を受けたときの費用を税金でまかなえば良いだけではないのだろうか?
 さらに、限定的に適用すると言っている包括払いが何故必要なのだろう。毎月同じ出来高払いとするのなら事務費もそれほど大きくはない。
 医者の中に「狸もいれば、狐もいる」から、こんな事が起こるのだろうか?

 このレポートは次の箇所を読めば、本気さが分かる。
(1)「かかりつけの医師」および「かかりつけ医機能」の充実
(2)「高齢者は在宅へ」という流れの是正
(3)多様な医療の選択肢の提示
 政府の政策が基本的に間違っていることがこれを見れば分かる。しかし、今の医療体制でこれは実現できるのだろうか?まず医者と看護師の数を確保しないととうてい実現できない。医者の学生数を制限した医師会だ。医師会としての具体的な取り組みがないと、立派な主張は空文となるだけだ。


 高齢者は人の世話になりたいと思ってはいない。ただ、生きている間は健康で楽しい生活を送りたいと思っているだけだ。医療はそのためにあるのではないのか。

 延命だけの医療を当事者は望んではいない。しかし、お金がないからとそれを打ち切る権利は誰にもない。
 
 高齢者は家で過ごしたいと望んでいる。なるべく人の世話にならず家でひっそりと暮らしたいと望んでいる。しかし、入院が必要な人が家に送り返されることまで望んではいない。

 体の具合の悪くなった高齢者も適切な治療をすれば回復する。高齢者に治療などしても無駄だと言わんばかりの、治療打ち切りには、誰でも怒る。

 高齢者は薬など飲みたくない。医者が飲むように言い、製薬会社が効くと宣伝する。本当にそうなのか?


 医者から見た高齢者医療は立派な見解だ。政府から見た高齢者医療も、お金の勘定という意味で重要なことだろう。しかし、高齢者から見た高齢者医療の見解が最も重要だ。その意志をくまない制度はやはり不十分なのだと思う。

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