チベットでの暴動がテレビでもインターネットでも報道されている。ラジオ自由アジアによると、ラサ市内には暴動鎮圧のために数百の装甲車両が出動し、群集に向かって発砲したという。市民の一人は「あちこちで衝突があり、死者数は80人以上に達するのではないか」と証言したが、詳細は不明だ。二つの見解は大きく差が有る。少ない情報の中でこれを論じても仕方が無い。もっとも時間がたっても情報が増えない事も有り得ることだが。 この報道ではじめて知ったラジオ自由アジアのHPはここ。放送言語は北京語、広東語、ウイグル語、チベット語、朝鮮語、ベトナム語、ラオス語、クメール語、ビルマ語だそうだ。この国の並びを見れば、この放送の性格はすぐに分かる。 日本のメディアがこの放送をソースにすることは、正常な判断をしているとは思えない。ただし、中国の放送とどれほど違うのかと言われれば反論は無いのだが。 さて、記事中にもある漢族と言う存在だ。漢族の起源は不明だ。その言葉は孤立語と呼ばれるが、系統上もまったくの孤立語だ。もし漢族が少数民族ならば、貴重な言語研究の材料と言われていた事だろう。 漢族は黄河上流に姿を現したといわれている。北部に勢力を伸ばした後、気候変動に伴う寒冷化の際南部にも勢力を伸ばしたらしい。三国志のころは呉の民族は漢族ではなかったと言われている。いまや漢族は全中国に広がっている。 中国には少数民族が55有るとされている。その最大数の民族はチワン( 壮) 1560万人だ。この人数は独立国としてみてもかなりの人口だ。 中国は少数民族と認定して保護しているそうな。しかし、彼らは元々山中などの不利な地域に押し込められた民族だ。政府の政策は保護なのか、封じ込めなのか、にわかには判定できない。 東南アジアにも少数民族(山岳民族)がいる。彼らも強い民族に圧迫された民族だ。強い民族とはベトナム族、タイ族、ビルマ族などだ。その歴史も大変なものだ。 タイ族やベトナム族は中国の少数民族でもある。彼らは中国では不利な地域にいる。私は彼らが中国から圧迫を受けて東南アジアに南下したと思っている。 朝鮮族は200万人いる大きな集団だ。彼らは朝鮮半島から逆に中国に行ったそうだ。行った先は満州であって、漢族の少なかった時代、満州国の時代、特異な例だ。(吉林省が主) さてもう一つの特異例が黒竜江省、内モンゴル自治区、新疆ウイグル自治区、チベット自治区だ。いづれも清朝以前には中国の版図として安定していなかった地域だ。 黒竜江省、吉林省は清朝の支配民族満族の故地だ。元を作ったモンゴル族は中国からさっと引き上げモンゴルを侵略される事はなかったが、満族の故地は満州国のころにも漢族が侵入していた。 満族自体は1000万人もいる大集団だが、各地に散らばっている。黒龍江省では人口の90%超が漢族である。 内モンゴルは外モンゴルの内側だ。外モンゴルはモンゴル国だ。清国がモンゴルを侵略し北半分が独立した結果この形となった。漢族は80%以上を占める。 新疆ウイグル自治区も清朝が侵略したところだ。現地人はイスラムで独立運動のホットスポットらしい。人口はウィグル族45%、漢族40% チベット自治区も同じような歴史を持つ。こちらはダライ・ラマのチベット教を持ち、遊牧民族にもこの宗教を信じるものは多い。また中国の雲南省にもチベット系の民族がおり、広がりを持つ民族だ。今はインドに亡命政権を持っている。 人口はチベット族が93%、漢族が6%。 さて人口比率を各地ごとに書いてきたが、漢族比率だけを再掲しよう。 90%、80%、40%、6% 漢族比率が低いほど民族独立運動は激しくなる。少数の漢族の治安維持が過酷になるのだろうと想像が付く。 漢族の人口比が大きいところは、政府が漢族であるから、もはや抵抗の余地が無いだろう。 もっとも強力な侵略は人の移動だ。ゲルマン民族の大移動は大きな事件となったし、インドヘア−系の進入もインドの歴史を変えた。漢民族の膨張は中国の歴史そのものだ。国家の歴史はよく論じられるが、人の移動の歴史のほうが重大な意味を持つと思う。 こういったことと同様な事はいつの時代にもどこにでもある。 アメリカ大陸へのヨーロッパ人の移動、北海道への内地人の移動、コソボへのアルバニア人の移動、パレスチナへのイスラエル殖民、メキシコからUSAへの不法移民などなど その地の国家に力があれば押し寄せる人を押し返すだろう。押し寄せる人の国家が強ければ、軍隊の後ろ盾で人が侵略してくるだろう。そしてもっとも強力な侵略が完成する。 日本への外国人労働者の事もこういった視点で見るべきだと思う。 |
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チベット問題について考えてみる
ひっそりとダライ・ラマの来日も終わり、ブログ界でのチベット関連の議論も一巡したようです。 ここ数週間、わたしは考えがまとまらぬまま、... ...続きを見る |
みーぽんのカリフォルニアで社会科 2008/04/22 05:23 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
外国人労働者も同じ視点、確かにそう思います。外国人の地方参政権にはそれ以上の危なさを感じます。 |
一般人 2008/03/16 12:42 |
一般人 さん |
飯大蔵 2008/03/17 01:28 |
Radio Free Asia というのは米国 CIA 系ですね.産経新聞に出る外電はほとんどこれです. |
kaetzchen URL 2008/03/19 20:39 |
人口比は大きな判断基準になりますね。ドバイも人口比がおかしな状態ですね。ドバイの今後が人口比でどうなるかが象徴的な出来事になるかも知れませんね。 |
一般人 2008/03/19 20:54 |
kaetzchen さん |
飯大蔵 2008/03/19 22:51 |
飯大蔵さん,こんにちは.詳しくはさっき,自分のブログに書きましたから,バトルしたい方は私のブログで散々やりまくって下さい(笑) |
kaetzchen URL 2008/03/21 16:10 |
そいえば,ヒロシマ市内で光市事件の批判講演会をやったら,なぜかラジオ自由アジアが来たことがあります. |
kaetzchen URL 2008/03/21 16:12 |
kaetzchen さん |
飯大蔵 2008/03/23 01:30 |
興味深く読ませていただきました。 |
みーぽん URL 2008/04/22 05:38 |
みーぽん さん |
飯大蔵 2008/04/22 22:12 |
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