飯大蔵の言いたい事

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help リーダーに追加 RSS 農業と工業化社会について

<<   作成日時 : 2007/10/17 00:04   >>

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 中国で中国共産党大会が開かれ、環境汚染などが話されているようだが、もっとも深刻なのは都市と農村の格差だ。それに対して対策すると言われているが具体的な方法はまだ見えていない。

 日本でも民主党が農村へのバラマキと非難されている政策を掲げ、参院選を勝利した。しかしその政策による将来の具体的な形がいまいち見えて来ない。
 ヨーロッパでは農業への補助政策が行われ、食料自給率は改善している。日本もこの政策を真似れば良いわけだが、テレビで小沢代表が参院選挙中に「ヨーロッパでもやっているんだ!」と感心していた映像が流れていたが、党首にしてその程度の認識だと驚いた。

 日本における歴史と経済について少し振り返ってみたい。

 
 日本は明治維新以降富国強兵を成し遂げるため「産めよ増やせよ」と人口増加を奨励した。当時の人口は農村に集中していたから、人口増は農村の人口の増加となる。その人口は都市部の工業化に吸収され、あるいは北海道開拓に吸収され、あるいは軍隊に吸収され、あるいは大陸への進出に吸収され、吸収され切れなかった人口は移民として海外に移動した。

 農村の生活の変化は遅く、逆に多かった小農が大地主の下小作に転落して行った。農村の窮乏が軍国主義に繋がったという見方もある。

 戦後GHQの政策で耕作地を所有する事が出来た農村では昔のように小農中心の農村に戻った。日本全体の食料不足のため食糧生産が奨励され、農村としては良い時代だったと思う。
 戦後の経済復興は速やかに起こり、朝鮮戦争など幸運な出来事もあり高度経済成長を遂げた。しかし農村の暮らしはなかなか変化しなかった。

 私の出所は農村にある。私が育ったところが農村なのではなく、私の親が育ったのが農村だ。子供の頃に親の実家に何度も行ったが、まだ白物家電も無く、耕運機も無い。そこにいたのは牛だった。食べるものもまるで違い、私はそこに長く滞在すれば病気になったものだ。

 農村の経済は基本的に自給自足だ。江戸時代から続く経済原則では、自給自足を基本とし、ある程度の年貢を出し、もしくは米を売って地租を払う。米相場の下落で地租が払えなくなった事が農村の零落に繋がった。現金が必要なのは少量の買い物のためだ。
 たまに都会から売りに来る物品を買う。塩もいるだろう、たまに魚の干物も買うだろう、富山の置き薬も買うだろう。農村は孤立していたわけではなく、都市と繋がっていたが、その量は少なかったと想像している。

 都市の工業化が進むにつれて、最初は余剰人口を都市に就職や出稼ぎとして供給するだけだが、次第に工業製品を買う事になっていく。生活を便利にするため、食べるものを豊かにするための物品だ。
 私の出所の農村には水道が無く井戸から手でくみ上げていたが、電動ポンプがつき、やがて水道になった。洗濯機や冷蔵庫、テレビも入り次第に都会の生活と変わらなくなっていく。
 また、耕運機などの機械が入り、肥料や農薬も買う。さらに車も買っている。
 これらの購入のためにも現金収入が必要だ。私の出所は兼業農家なので、農業だけの収入では無く、農業が自家消費米だけになっていったものと思う。

 農家が都会と同じような生活を望むのは都会の情報が入るからでもあり、同じ国民であるからでもある。現金収入を確保するため生産者米価という消費者米価よりかなり高いものが設定されていた。実質的な税金による農家補助であった。

 農村は自民党の票田であったから、農業補助を積極的に行い政権を維持してきた。一票の格差問題もこれに起因する。
 
 政府は国家財政の赤字建て直しとグローバル化すなわち自由貿易の推進の元、農家切り捨てに転じた。これが今回の参議院惨敗の大きな原因だ。
 
 中国でも農村の発展は進んでいない。これ以上放置すれば暴動が起こりかねない状況だ。日本のように農村に補助金を出すには巨額すぎるため出来ない。
 日本とは状況が違うが、似た問題だ。

 経済的価値と今後の政策については、長くなったので次に譲ることにする。 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
先日、たまたま観た国会中継で田中真紀子氏が種子の袋を掲げていた。その種子は現在日本で生産されている一般的な農産物の種子だが全部米国産だ。驚いたことに福田総理は指摘されるまで知らなかったようだ。米国では農業は国家戦略であり種子はその象徴だ。日本では首相でさえその事についての認識が無い、ただ単に工業製品を輸出するための駆け引きの材料にしているだけだ。戦略無き行き当たりばったりの国家はやがて滅びるのかもしれない。
ロケットの夏
2007/10/18 22:24
ロケットの夏 さん
アメリカの種子戦略は何年も前によく言われていましたね。
日本の「こしひかり」が世界中で作られ、日本の「和牛」が世界中で飼育されている現状、これが守られないのは企業が持っていないからですね。
滅びるのは企業でもなく国家でもなく国民では無いかと思う。
飯大蔵
2007/10/19 02:10

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