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help リーダーに追加 RSS 経済財政白書:07年度

<<   作成日時 : 2007/08/07 22:06   >>

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 経済財政白書:07年度が出版されている。経済財政白書〈平成18年版〉成長条件が復元し、新たな成長を目指す日本経済 (大型本)
 新聞にもその要旨が掲載されている。一部分だけ引用する。
経済財政白書:07年度要旨 毎日新聞 2007年8月7日 東京夕刊
■第1章 長期化する景気回復とその先行き
■第2章 今後の成長に向けた生産性向上と企業行動
■第3章 労働市場の変化と家計部門への影響

 ◇第1節 雇用形態の多様化と家計部門への影響

 雇用形態の多様化で雇用者の約3人に1人は非正規雇用という状況になっている。自ら積極的な理由で非正規を選択している者が増加している一方で、正社員として働ける会社がないなど、やむを得ない理由の割合も2割程度いることには注意が必要。

◇第2節 雇用構造の変化に対応した雇用制度改革

 就業形態の多様化など労働市場が変化し、紛争処理制度が整備される中、労働関係訴訟や労働紛争相談が増加。労働者と企業の個別交渉で生じる社会全体の調整コストを低減させる制度設計が求められている。

 ◇第3節 雇用形態の多様化に対応した賃金、雇用条件の交渉過程

 労使間で効率的な交渉を行う場を設定する工夫も必要。従来の労働組合による交渉に加え、企業内の発言型従業員組織や労使協議機関についても、その存在が賃金のプレミアムをもたらすことが見いだされており、労働者の交渉力向上に寄与していることが示唆される。

 ◇第4節 経済成長と格差の関係

 従来、成長の過程でいったんは格差が拡大するものの、次第に縮小するとされてきた。しかし近年の傾向をみるとむしろ成長に伴って格差が拡大する傾向がみられる。

 諸外国では所得再分配機能の向上、税と社会保障を組み合わせた制度が用意されている。日本でも教育機会の充実などの政策的取り組みが期待される。
 新聞の見出しでは「労働生産性の向上が必須」となっている。白書の第2章だ。
 労働生産性向上は経済に対しても、企業経営に対してもそして労働者に対しても重要な課題だ。その向上の手段が何なのかが問題なのだが、要旨でははっきりしない。

  「労働市場の変化と家計部門への影響」が私の関心事だ。
 非正規雇用が三人に一人と認識したのは評価できる。また正社員になりたいけれどやむを得ず非正規雇用になっている人も多いとの認識も評価できる。しかし、それだけだ。

 雇用制度で問題にするのは「労働関係訴訟」のコストだ。「労働者と企業の個別交渉」が労働者に不利な事はスルーしている。
 「企業内の発言型従業員組織や労使協議機関」も同じ弱みを持つ。

 格差が拡大している事を認めた事は大いに評価できる。しかし、格差対策は教育機会の充実だけなのか?
 要旨の問題かもしれないが、たまらない内容だ。

 
 上記の記事には「◇「株主重視」の経営が課題−−ニッセイ基礎研究所、櫨(はじ)浩一・経済調査部長」という論説が付いている。これは白書の解説なのだろうか?ニッセイ基礎研究所なる組織は白書の執筆に関わったのか?それとも何かの権威なのだろうか。
 その主張は限りなく新自由主義に満ちている。表題にある「株主重視」がそれだ。
 驚いたのは次の部分。
白書は第1章で、景気回復下でなぜ賃金が伸び悩むか分析しているが、何も賃金だけが、企業が利益を家計に還元する手段ではない。配当の形で家計への還元を増やすことは可能であり、「株主重視」の経営はここでも大きな意味を持つ。
 貯蓄がゼロの世帯も増えている、個人株主の株式保有量も増えない。国民のなかで株式配当が実質的な意味を持つ人がどれほどいるのか?
 
 この「解説?」をくっつけるのは政府の指示なのだろうか。


 「経済財政白書」は日本国の経済財政を分析したもののはずだ。だがここで分析しているのは国民経済ではなく企業経済ではないのだろうか。
 「解説」の最後の部分がそれを物語っている。
第3章で取り上げた経済成長と格差の問題。格差是正のため教育・訓練を重視するのは正攻法ではある。ただそれだけでは十分とは言えない。弱者対策拡充の観点から今の社会保障制度を見直し、セーフティーネットの整備を急がないと、社会が不安定化してしまう。
 社会が不安定になると企業は自由に活動できなくなり、損失を生じる。従って社会は安定している事が必要だ。
 しかし、その前に「弱者対策拡充」が必要ではないのか?

 経済は何のためにあるのか?・・・国民が豊かな生活をするためにあるのではないのか。
 企業だけが繁栄し、国民が豊かにならないのであれば何の意味があるのか。
 一部の富裕者だけが豊かになり、多くの国民が豊かにならないのであれば何の意味があるのか。

 新聞記事を二つ並べておく。こういうのを白書に書いておくべきではないのか。
富裕層:所得2000万円超、15年で2倍 消費10兆円規模に
消費者心理調査:景況感、大幅悪化 物価の上昇懸念で
 

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