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zoom RSS (読書)「沖縄独立宣言」大山朝常著

<<   作成日時 : 2005/12/21 20:45   >>

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 大山朝常氏は1999年11月24日死去された。1999年11月25日 沖縄タイムス朝刊
 著書にあるようにこの本は文字通り遺書であると、私は受け止めている。ご冥福を祈ります。
 日本が侵略国家として言及されている対象は台湾以降が多く語られているが、それ以前すなわち明治初年から本格化したのが北海道と沖縄である。この本は沖縄の歴史と著者が自ら体験した沖縄の状況を述べ、それを踏まえ「ヤマトは帰るべき祖国ではなかった」と記している。日本人の歴史認識としてこの事を直視しない認識は偽りの歴史認識だと思う。
 現在基地再編問題の中、沖縄の問題がクローズアップされているが、沖縄の歴史を踏まえた議論が軽視されていることが、無性に悲しい。

 さてこの本の冒頭「まえがき」の部分である。
まえがきーーこれは私の「遺書」にほかならない
でいごの花が咲き 風を呼び嵐が来た
でいごが咲き乱れ 風を呼び嵐が来た
繰り返す悲しみは 島渡る波のよう
ウージの森であなたと出会い
ウージの森で千代にさよなら  (宮沢和史/作詞作曲)

ご存知の方も多いでしょうが、数年前、若者たちを中心に大ヒットした歌「島唄」の一節です。この歌は男女の悲しい別れを歌っていますが、その詩の背景に、”沖縄の悲しみ”そのものがひそんでいることを読み取られた方も、少なくなかったのではないでしょうか。
 
 長くなるので間をまとめて書くと、デイゴは沖縄県の県花で、沖縄戦の季節に咲く花です。この花が咲くといやでもあの戦いを思い出す。悲惨な戦争の状況は本紙にも詳しく述べられているが、簡単に述べた後
 
沖縄戦は日本全土が自らを防衛するため、沖縄を”捨て石”にした戦いでした。米軍の本土攻撃を少しでも遅らせるため、沖縄を犠牲にしたのです。健忘症の日本人はそんなこととっくに忘れていますが、沖縄人は決して忘れていません。たとえ忘れたくても、忘れることができないほど深い傷を私たちは負わされているのです。
沖縄戦以前、沖縄戦以降の歴史を述べた後
 
私はその歴史の荒波の中で、常に心の奥深くに沈静させてきたことがあります。それは「こんなヤマトは、私たち沖縄人の祖国ではない」という痛切な思いです。(中略)
 沖縄を知らないヤマトンチュに、また若いウチナーンチュに、ぜひこの本を読んでいただきたい。そして、本土の方々には、沖縄人がどれほど過酷な歴史を生き抜いてきたのか、また沖縄問題の本質がどこにあるのかを、ここから汲み取っていただきたいと願うのです。

 
 この前書きの抑制の効いた、心から搾り出すような語り口。私は涙が出て止まりませんでした。私も「島唄」は聞いた事はありましたが、こんな意味深い歌詞だとは知りませんでした。
 前から知っている「サトウキビ畑」のなかにも「鉄の雨」という表現があります。
あの日鉄の雨に打たれ
父は死んでいった
夏の日ざしの中で  寺島尚彦 作詞作曲
私は「鉄の雨」という表現は比喩だと思っていたのですが、彼らの実感、いや現実だったのだと知りました。
 この本で感心してみていたのは地図です。沖縄を中心とした地図です。その範囲には近い順に台湾、中国、鹿児島が見えます。沖縄の位置をいまさらながら認識させられます。
 
 さて主題の沖縄独立宣言であるが、著者はコザ市長として「沖縄復帰」を推進した。そしてこう書く。
 
長年の復帰運動の果て、沖縄にもたらされたものは以前と変わらない、いやもっと過酷な基地被害だけでした。(中略)
 「祖国復帰」とは、いったい何だったのでしょうか。私たちがあれほど思いを込めて復帰を望んだ「祖国日本」は、沖縄にとっていったい何なのでしょうか。
 幻だったのです。私たち沖縄人が悲痛な思い故に描いた、幻影だったのです。
 日本は帰るべき「祖国」ではなかった。−いま、もっと悲痛な思いで、私たちはそれに気づかされているのです。
そして最後に沖縄という平和国家を取り戻す為に、沖縄の文化を取り戻す為に、沖縄独立を主張されるのである。

 私は日本復帰は正しい選択だったと思う。もし復帰運動をしなければ、沖縄はアメリカに支配された地域として現在もあるだろう。(信託統治領か)戦後のアメリカの行動を見れば、アメリカはそうするつもりだったと私は思っている。(歴史的資料は見たことは無い)その時点で独立運動をしてもアメリカおよび日本の反対で実現しなかっただろう。
 そして日本に復帰したことを私は歓迎すると共に感謝する。文化の幅、人間の幅は広い方が良いし、沖縄のエネルギーは芸能界で顕著であり、日本人の失われた心や文化を取り戻すのにその力が大変重要だと考えるからです。戻ってきて本当に有難うというのが私の気持ちです。
 独立は大変困難だと思います。経済的に自立するためには、沖縄の位置を生かした貿易が有力でしょうが、現在は香港シンガポールに移っています。観光だけでも難しいでしょう。さらには安全保障です。中国は公式ではないが沖縄の領有の正当性も言及したこともあるし、アメリカの思いも再燃するだろうし、国際紛争のタネになっていくことでしょう。 
 しかし彼らがその非常な困難を覚悟して独立したいと決めるならば、私は支持します。

 今ホットな話題である米軍再編で沖縄県と協議済の案を頭越しに無視して、とにかく理解せよと政府が言っている。もし、いま大山朝常氏が居られたらどう思われるだろうか。

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沖縄独立という選択肢
 米兵による少女暴行事件。再発防止、運用改善なんていうけど、聞き飽きたと思っている人が多いのではないだろうか。今は、いかにも対策を&... ...続きを見る
A Tree at Ease
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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
すばらしい主張ですね。大山さんのこのご本は発売直後から沖縄でも大変話題になっていましたね。かつての本土復帰論者がこれまでの日本政府の施政に幻滅し、独立論に転じた方は少なくないようですね。以前当方のブログでも少々書かせていただきましたが、「核密約」付の本土復帰は、「核抜き本土並み」を信じた沖縄県民、日本本土の多くの同士への裏切りであり、今般の米軍再編に至るまでの処遇は基地植民地以外の何物でもないですね。本土復帰以後に生まれた「復帰っ子」が沖縄でも多くなる昨今、歴史の証人である大山さんのこのご本は、多くの若い方に是非読んでいただきたいものですね。そして、国連加盟国の多くが沖縄より経済規模も人口も小さいという現実を考えれば、「沖縄独立」は決して不可能なことではなく、そろそろ政治の場でも公に議論されるようになるでしょうか。米軍再編の前に、今こそ読み返されたいご本ですね!
http://blog.livedoor.jp/okinawamo555/

rm
2006/05/08 10:40

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